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【体験をデザインする法則】ハイパーリアリティで学ぶVRデザインに役立つ法則を紹介

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何年も前ですが、私は大阪のユニバーサルスタジオで衝撃的な体験をしました。通りや建物がゾンビで埋め尽くされ、サイレンが鳴ると、ゾンビたちがこちらに向かって一斉にはってくるのです。映画ウォーキングデッドの世界を、現実で体験したようでした。その衝撃から私は、人間の体験をデザインするとはどういうことか、VRにおいて役立てられることはないかを検討してきました。私の発見のいくつかをぜひ紹介したいと思います。

 

  1. 1.感情が生まれ、行動し、何かを学んだとき体験は素晴らしいものになる

ユニバーサルスタジオでの体験は、なぜあれだけ衝撃的なものになったのでしょうか。それはそこから感情が生まれ、自分の考えから行動を起こし、成功でも失敗でも何かを学ぶことができたからです。

 

パフォーマンスの最初、人々はこれから怖い体験をすると予想し、その感情がゾンビの世界に私たちを引きつけます。事前のマーケティングも役立ってはいますが、その場にある装飾のデザインやコスチューム、音響、さまざまな物の見た目のすべてが雰囲気を形作ります。そうして参加者をゾンビの世界にいると思い込ませるのです。

 

ゾンビは首に血のバッグを巻いた参加者を追ってきます。そこで参加者は逃げるか、その場に留まるかの選択を迫られます。ゾンビが出てくる場所は決まっており、会場内にはゾンビが少ないセーフゾーンが設定されています。ビルの中ではさらに過酷な事態が待ち受けています。参加者はどこに行ってどうするかを自分で決定することになり、この世界に引き込まれるのです。

 

 

  1. 2.優れた体験は知識や期待のレベルが異なる人々を考慮して作られる

これまで私が体験した中でも特筆すべきものが、Sleep No Moreという演劇形式のショーでした。これが優れていたのは、実際のスペースとパフォーマンスを一体化させていながらも、ベースとなったシェークスピアの物語とは違ったストーリーがキャラクターによって作られていった点です。観客は好きな人物を追ってストーリーを体験できました。

 

Sleep No Moreにはセリフがありませんでしたが、優れた音響や装飾、プロットで観客を引きつけました。このショーは大人気となり、さまざまな文化的背景や知識レベルを持つ人々に受け入れられました。100回以上見に行ったリピーターもいたほどです。どの人物を追っても物語が成立するよう慎重にプロットが練られ、観客一人ひとりに異なる体験を生み出します。表情やボディランゲージ、キャラクター同士の異なる関わり方で表現される物語は、観客の知識レベルの違いを吸収し、誰にとっても伝わる物語を実現したのです。

 

 

現在VRがさかんに研究されていますが、私は、VRでの体験は現実のものと同様にデザインされるべきだと考えています。VRにおいては製品に触れるだけの体験に留まらず、人間の知覚、文化、芸術、デザインを総合的に組み込んだ体験を提供すべきなのです。

 

 

 

※本記事はA Hyper Reality World — Human Experience Design Principles & VR Case Studyを翻訳・再構成したものです。

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