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Appleのデザイナーリーダーでもあったスティーブ・ジョブズの独自ルール「1/3ルール」とは?

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Appleの元CEOスティーブ・ジョブズは世界的なイノベーションを次々と巻き起こしたスーパー経営者であり、組織を引っ張っていくデザイナーリーダーでもありました。今回はデザイナーリーダーとしての彼の一面を掘り下げたいと思います。

当時の彼の仕事ぶりから、スティーブを「独裁者」だと見る人は多いです。マヌ・コルネットは、彼の突出した技術者としての側面をグラフィックで分かりやすく表しています。

 

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世界的にメジャーな大企業の組織としての概要図

 

Appleの図の中心にある大きい赤い点がスティーブです。Appleはスティーブを中心とした組織であったことがよく分かります。しかし、特筆すべきなのは、スティーブはチームにある程度の自由を与えていたということです。そのスタイルはチームにとっても企業にとってもベストな形でした。それが彼が設けた1/3ルールです。

彼はプロダクトで採用する意見において、3つの部分に分け、2つの部分に大きな可能性を持たせたのです。

 

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スティーブの1/3:正しくて、確固たる意見・見通しを持っている

ニュースなどで彼のリーダーシップに対してのステレオタイプをよく聞きます。「彼は独裁者で、攻撃的なことも多い・・・」。確かにそのような面もあったのでしょうが、彼の展望は確固としたものであり、チームメンバーには詳しくそれを説明していました。

彼のことを記した伝記作者(ウォルター・アイザックソン)は次のように語っています。

「スティーブがMacintoshのOSの起動時間を短くするように要求した時、エンジニア(ラリー・ケニヨン)は、出来ないと答えた。でも、スティーブは『人生を救うのであれば、起動時間を10秒短くする方法を見つけてくれないかい?』とさらに要求し、28秒起動時間を短縮したんだ。」

1/3に関しては彼の意見は絶対的でした。

 

 

従業員の1/3:スティーブは従業員の見解も認める

当時の従業員が彼のことを独裁者だと考えていたとは思えません。アップル転換期に彼が確立したAppleの社風をみても分かります。

1998年、臨時CEOとしてスティーブが復帰し10ヵ月もたたないうちに発表されたiMacは、Appleのそれまでの流れを大きく変えました。iMacはビジネスに大きな影響を与えることを彼は理解していたのです。そこで彼は、公の場でチームの努力があってこその成功だったということを何度も述べていました。

彼は従業員の意見を1/3聞き入れ、彼らの意見を認めていました。

 

 

共同作業の 1/3:スティーブと従業員のせめぎ合い

最後は中間の1/3です。彼は従業員と共同作業する場所を設けたのです。スティーブも一緒になってチームを引っ張りながら作業を行う、それこそが彼のリーダーシップスタイルでした。

この中間部分では、様々な作業を行いましたが、従業員はスティーブとの戦いではなく、自分との戦いをすることになります。この部分はいわば実験場で、最も情熱的でクオリティーの高いアイデアだけが提案できたのです。そう、彼は戦う場所を用意しただけで、勝ち負けを決めてはいませんでした。

 

しかしなぜこの方法(1/3ルール)がうまくいくのでしょうか? 3つの理由が考えられます。

 

1.多くの決定を下させるから

ジョブズの前では代案がないかぎり、アイデアを出したり提案をすることはできませんでした。その代わり、他の見解に対してでも、よい案は大歓迎して採用していました。こうしてしっかり熟考され、リサーチされ、完成に対しての情熱的なアイデアにたどり着いたのです。

 

2.勢いをキープさせるから

スティーブは捜査官の役割を引き受けることも多く、とてつもない挑戦と、止まらない要求でチームにショックを与え続けていました。よそのチームが異なった見解を持てば、そのチームのアイデアを擁護し、開発の勢いは止めませんでした。

 

3.ベストパフォーマンスを強要するから

彼は、外部から何かを言われるよりは、内部から動機づけする方がはるかに優れていると理解していました。挑戦させたりや命令したり、動機づけすることでぐいぐい引っ張り、従業員は思っている以上のパフォーマンスを遂げることができたのです。

 

今後、スティーブ・ジョブスのような逸材はなかなか出てこないかもしれません。しかし、彼のようにアイデアを戦わせて成果を得るような場所をチームに与えることはできます。イノベーションが育つ環境を整えることは誰にでも可能であり、個人や企業にかかわらず、思っている以上の成果を上げることが可能なのです。

 

 

この記事は「How Steve Jobs Harnessed the Rule of Thirds」を翻訳・再編集しています。

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