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【ケーススタディ】ユーザーエラーを防ぐにはどうすればいいのか…【コペンハーゲンの交通機関から学ぶ】

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私はコペンハーゲンの公共交通機関が大好きです。列車、バス、地下鉄を利用して、いつでも迅速かつ効率的に市内全域に行くことができます。

2013年以降、電子チケットシステム「Rejsekort」(直訳:トラベルカード)は、旅行者が電車やバスの費用を払うために使用されています。チケットを購入する代わりに、駅に置かれたリーダーにカードをスキャンしてチェックインし、目的地に着いたらチェックアウトし直します。チェックインとチェックアウトの距離に基づいて、運賃が計算されます。

 

ロンドンやニューヨークのような都市の鉄道駅とは異なり、人々がプラットフォームに入り、電車に乗るのを妨ぐゲートやはりはありません。言い換えれば、厳密には電車に乗るために切符は必要ありません。もちろん、料金を支払わなければ、罰金を科される危険性もありますが。

 

しかし、物理的にチェックインすることなく駅に出入りすることができるので、それを忘れてしまいやすいのです。そして、他の旅行者で混雑する駅のような公共の場面では、気が散ってチェックイン作業を忘れてしまいがちです。特に、Rejsekortを使用するプロセスがチケットを購入するプロセスと大きく異なることを考えてみてください。前者はチェックインとチェックアウトの2つの動作を必要としますが、後者ではチケットを購入するという一つの行動しか要求されません。

 

チェックアウトするのを忘れた場合、Rejsekortはあなたがどれくらい遠くまで旅行したかを計算することができず、結果として最高額の運賃を請求されます。その結果、Rejsekortを使用することは楽しい経験ではなくなります。

 

こう感じるのは私だけではありません。Rejsekortに対するレビューでは、ミスを犯しやすい設計に対する不満が数多く示されています。ユーザが間違いを起こさないようにするには、新しい解決策が必要です。この記事では、現在のデザインでユーザが経験している問題を探り、私自身の発見に基づいてユーザーエクスペリエンスを向上させる新しい解決策を考案します。

 

 

ユーザーリサーチ

旅行者が抱えている問題をよりよく理解するために、ユーザ調査を実施しました。ここでの目標は、他のユーザからのデータを取得して、ユーザがチェックアウトするのを忘れてしまうという問題を立証することでした。36人の参加者のうち60%がRejsekortで旅行したときにチェックアウトするのを忘れたことがあると答え、それに対してどのように感じたのかを尋ねたところ、回答は「迷惑」、「怒り」、「苛立ち」など否定的なものが圧倒的でした。また、ユーザがRejsekortについてどのように感じたかを尋ねると、大多数のユーザは否定的な態度を示しました。

 

 

ビジネスリサーチ

Rejsekortがユーザのフィードバックに基づいて改善しようとした試みの第一歩として、アプリCheck Udvejが考案されました。このアプリはRejsekortカードの付属品で、ユーザは離れた場所からからチェックアウトすることができます。したがって、駅でそれをするのを忘れてしまった場合、旅行者はもう1度チェックアウトすることができるのです。

 

これに対するユーザのレビューの大半は非常に悪く、離れた場所からチェックアウトできる機能が動作していない、アプリがまったく機能していないなどの報告が相次ぎました。アプリがチェックアウトのし忘れ自体を解決するわけではないので、根本的な問題が解決されないのは明らかです。

 

解決策

私は、ユーザーエラーを防ぐことでより良い経験につながると考えます。少なくとも、ユーザを助け、チェックアウトすることを忘れないように促すことに積極的に取り組むことが必要でしょう。

私が推奨するのは、ユーザのRejsekortカード(現在のアプリと同じように)に接続され、電車から降りる際のチェックアウト忘れを検出できるアプリです。

 

携帯電話のGPSをタップすることで、アプリはユーザの現在地や旅行の速さを読み取るができます。速度の変化が検出されたにもかかわらず、Rejsekortでチェックアウトがされていない場合、ユーザがアプリを介して遠隔でチェックアウトするように、携帯のリマインダーにプッシュ通知を表示するようトリガーします。

 

ユーザの起こしたエラーを感知し、それにユーザが気づく前に解決策を提供するというのがここでのポイントです。そうすることで、ユーザはチェックアウトしていないという情報を受け取りますが、はるかに肯定的な形で、より快適な体験を提供することができます。

 

 

最後に

設計が人的なエラーを誘発するものだと、その設計は失敗に終わります。ユーザのニーズを満たし、サービスの経験をポジティブなものにすることで、ユーザはサービスを使い続けてくれることでしょう。

 

 

 

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※本記事はPreventing User Error: a UX Study of Rejsekortを翻訳・再構成したものです。

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