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起業したいデザイナー必見!Facebookの元デザイナーが語る、デザイン会社を経営するメリットとCEOの苦悩

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ビジネスアイデアとやる気さえあればデザインファームの創設者になれるわけではありません。

ここでは、Facebookのデザイナーを経てそこでの経験を生かし、現在はデザインファームWakeのCEOを務めるクリス・カラニさんへのインタビュー記事をご紹介します。Wakeはデザインプロセスを改革し、仕事をシェア/コラボレーションする新しい方法を提供する企業です。Wakeのカスタマーには、Facebook、Airbnbなどの大手デザイン部門も含まれています。

 

まずは、これまでの仕事についてお聞かせください。

14歳の頃からインターネットで何かを作ることに没頭しはじめました。何かを作ってフィードバックをもらうことはワクワクする経験でした。もちろんその頃は会社を立ち上げようとは思ってもいません。ただ、作ってシェアするだけで楽しかったです。

高校を出た後は大学に入学せずに、スタートアップで腕を磨き、Nike、Microsoft、Visa、Adobeなどの仕事に携わりました。現在まで私はずっとデザイナーとフロントエンドWebエンジニアを続けています。

2011年からFacebookに入社し、まずはメッセンジャー、グラフサーチ、グロース&エンゲージメントの仕事をしました。その仕事はとても好きだったのですが、数年後、チームは大きくなり、私自身がしたい仕事をできていない状況に気付きました。18人の小さな規模のチームから100人の大規模なチームまで多様なチームを経験した中で、密接なコミュニケーションをとることの大事さを知りました。デザイナーの数が多ければ多いほど、コミュニケーションの数が増えていき雑になってしまい、目標がぶれてしまうことが多いのです。

Facebookに在籍したころに学んだことを活かし、私は同じような悩みを持つデザイン会社を助けたいと思い、Wakeを立ち上げました。

 

今デザイナーが直面している最大の課題は何だと思いますか?

美学にとらわれ、自分のためだけにデザインをしている人をこれまでにたくさん見てきました。彼らは、現実的な問題を解決するようなデザインにも目を向けるべきだと思います。

デザイナーは力を持っているのです。会社の中で、「伝統的なデザイナー像」を演じる必要はありません。デザイナーは会社の上層部やCEOに影響を与える力を持っていると私は思っています。なぜなら、デザイナーは会社のビジョンを形にすることができるのですから。これはデザイナー以外には出来ないことです。もしデザイナーがそのことに自覚し、周りの社員もそのことに気付けば、デザイナーはチームのコミュニケーションをコントロールできるでしょう。

もし自分の虚栄のためにデザインしているのであれば、そんなことは出来ません。

 

デザイナーが会社を立ち上げることにメリットはありましたか?

デザイナーは「ビジネス」と「製品」と「文化」をまとまりのあるものに混ぜ合わせることができると考えています。そこまで大層なことができなくても、デザイナーは最低限、ユーザーが使ってみたいと思えるような製品をビジネスの目的を考慮しながら作ることができます。エンジニアやリサーチャー、経営者と働きながら、ユーザーの事を同時に考えることができる立場なのです。そこがメリットだと思います。

 

クリエイターはどのようにテクノロジーを活用していくべきだと思いますか?

今は使いこなせないほど多くのツールがありますよね。デザイナーは、チームメンバーとのコミュニケーションを円滑にして、いい仕事を速く仕上げることにフォーカスしてツールを選択するべきだと思います。あなたにとってベストなテクノロジーは、デザインのプロセスを単純化し、仕事を先に進めてくれるものです。

 

デザイナーが経営者になることは、今のデザイン業界では大きなチャンスになり得るのでしょうか?

これは難しい質問です。その人が何をビジネスにしたいのかにもよりますから。経営者になることはとても楽しいのですが、全ての人が経営者に向いているわけではありません。デザイナーはデザインをするのが好きだからデザイナーになっている人がほとんどです。もし経営者になれば、楽しんでやっているクリエイティブな仕事を手放し、その代わりに運営や人事、コミュニケーション、何百ものタスクをこなさなければなりません。もちろんその仕事も楽しいのですが、デザイナーがCEOになるということはそういうことなのだと自覚しておく必要があります。

また、もうひとつ言っておきたいのが、経営者になることがデザイナーにとっての唯一のゴールではないということです。デザイン業界には、経営者ではなくても業界を牽引している素晴らしいデザイナーがたくさんいます。

 

デザイナーが経営者になるには何が必要ですか?

先ほど言いましたように、デザイナーが経営者になることには多くの犠牲を伴います。そのほかには、自分がリーダーであることをコンスタントに自覚する必要があると思っています。また、従業員、特にデザイナーには自律性を持ってもらうように計らうべきです。デザインの仕事に口を出したくなる気持ちはわかりますが、もうあなたはデザイナーではありません。あなたの全ての行動がチームに影響を与えます。もちろん、自分でデザインできるチャンスはあるでしょうが、あなた自身が決断を下せる立場にあることを知っておかなければなりません。チームを前進させるためには、オープンコミュニケーションを導き、指導をしながら(論理的に矛盾のない)一貫したフィードバックをし続ける必要があります。

 

経営者になりたいデザイナーはどのようなスキルを身につけておく必要がありますか?

起業については私には確固とした考えがあり、「起業したいから起業するべきではない」と思っています。会社を経営していると、辞めたいと思う瞬間や、これ以上続けられないと思う瞬間が何度もあります。そんな時に本当に好きなことを仕事にしていないと、続けていくのは難しいでしょう。あなたのビジョンをよく理解して、切磋琢磨できるようなパートナーを見つけることをおすすめします。スタートアップの経営は不安定です。あなたが落ち込んでいるときに助けてくれるような仲間を見つけましょう。

経営者は目的に関してクリアなビジョンを持ち続ける必要があります。多くの経営者は自社の特徴や機能性にとらわれてしまいがちです。でも、経営者がどこに向かって進んでいるのかを分かっていないと、成功のチャンスは遠のいてしまうのです。起業した時に掲げた目的は、今後全ての決断の際に関わってくるでしょう。

 

 

この記事は「Former Facebook Designer Reveals How To Become A Designer Founder」を翻訳・参考にしています。

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