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エネルギー効率も透明度も高い画期的な透過型太陽電池を開発!その仕組みとは?

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本記事は、Scientists Build Highly-Efficient Transparent Solar Cells
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約1分41秒

・シリコンマイクロワイヤ複合材料を使用することでエネルギー効率を高めた透過型太陽電池(トランスペアレントソーラーセル)が開発されました。

 

・新しい透過型太陽電池では、反射光を利用してエネルギーを生成します。

 

社会や環境における深刻な問題を解決できる可能性が秘められている太陽エネルギーに着目した透過型太陽電池の研究がさらに注目を浴びています。

 

光の入射(目に見える透明度)とエネルギー生成(太陽光発電の変換効率)の間にはトレードオフがあるため、これまで開発されてきた透過型太陽電池は、エネルギー効率も透明度も低く、電子機器や、車や建物の窓に使うことはできませんでした。

 

ところが現在、韓国の蔚山国立科学技術研究所によってエネルギー効率の高い透過型太陽電池が開発されました。そのソーラーセルには、シリコンマイクロワイヤ複合材料が使用され、柔軟で透明なポリマー材料に円柱状のシリコンロッドが埋め込まれています。

 

従来の透過型太陽電池との違い

 

染料や有機、ペロブスカイト構造の従来の透過型太陽電池と異なり、新しく開発されたものには、n-シリコンマイクロワイヤが利用されています。

 

ディープRIEと呼ばれる方法を利用して、一定の間隔で組み立てられたマイクロワイヤを柔軟で透明なポリマーマトリックスに埋め込みます。

 

新しく開発された透過型太陽電池では、シリコンロッドからの反射太陽光を制御してエネルギー効率を高めるため、マイクロワイヤ間の間隔を変更しました。そして、10〜55%の光透過率調整が可能となったのです。

 

仕組み

 

このシリコンロッドは、太陽光を吸収して、電気を生成する光活性層として機能します。肉眼では見えませんが、特定の間隔でロッドが配置されています。そのことによって、基板自体の柔軟性と透明性の維持を可能にしました。

 

 

透明性を損なうことなく光吸収能力を高めるために、研究チームはシリコンマイクロワイヤの先端の形状を劇的に変えました。

 

従来の太陽電池では反射光を利用していませんでしたが、この新しい太陽電池では反射光を利用します。シリコンロッドの上部から反射した太陽光を、その隣のロッドが吸収してエネルギーを生成するのです。

 

先端の形状を変えたことによって、10%の可視透明度で8%のエネルギー効率を出しました。この数字は、シリコンベースの透明太陽電池における過去最高の数字です。そして、耐久性も素晴らしく、数十回の抗折試験の後でも、エネルギー効率を下げることはありません。

 

剛性ガラス基板上で製造される従来の透過型太陽電池では使えなかった場所で利用される時がきました。開発された透過型太陽電池は、柔軟性も透明度も高いため、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、ビル統合型発電まで、さまざまな場面で使うことができるでしょう。

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