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米フォード社が目指す世界「車同士のコミュニケーション」は私たちに何をもたらすのか?

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米フォード社はこれまで環境を配慮した取り組みをおこないながら、持続可能な世界を目指してきました。燃費効率をひたすら追求し、常に技術革新を行いながらCO2の排出量を減らしてきたのです。最終的には排出量を0にまで持っていきたいとフォード氏は話しています。

 

しかし、どれだけCO2排出量を減らしても、放置することができない問題があります。交通渋滞です。

2011年の時点で世界の車の総数は8億台で、それは2050年までに20億~40億台になると言われています。この急激な車両の増加により、これまで人類が経験したことが無いような世界的な交通渋滞が発生することが見込まれているのです。

フォード氏がTEDでプレゼンした内容を引用すると、平均的なアメリカ人は1年の一週間を交通渋滞で無駄にしているそうです。急成長している国ではそんな程度で済むはずもなく、平均的な北京の人は一日の通勤時間に5時間を使っているそうです。

交通渋滞は経済成長を停滞させるだけでなく、食料や医療サービスを市街地に運ぶことが難しくなることを意味しているので、人々の生活の質の低下にも繋がります。

 

この問題を解決するために現在フォード社が取り組んでいるのが、「車同士のコミュニケーション(V2V)」です。車同士がWi-Fiのようなシステムで繋がることで周りの車がどのくらいの速度で走っているのか、どこへ向かっているのかを把握できるようになります。結果、車自身が最善の道を計算し教えてくれます。V2Vにより交通はよりスムーズになり、渋滞は緩和されると考えられています。

このシステムが実現すると、目的地近くの空いている駐車場を見つけることも可能になるとも言われていて、駐車場を探しまわるときに排出するCO2の排出量の削減にもつながります。

 

Bloombergではフォード社のV2V実証実験として、視界の外から飛び込んできた車にぶつかる前に急ブレーキがかかるという動画が公開されています。

 

 

近接センサーによって追突を防止する仕組み(自動ブレーキ)は日本でも見られますが、フォード社のシステムでは車同士のネットワークがあるので、どこからどのスピードで車が近付いているのかを常に把握できる状態になるのです。

交通渋滞の緩和だけではなく衝突防止までもを可能にするV2Vシステムは、近年開発されている自動運転システムに搭載されることも期待されています。

 

フォード氏は「全ての車同士が繋がり、それらはインフラとも繋がるようになる。様々なものが統合されるようになると、A地点からB地点までの移動能力は格段に跳ね上がる。」とインタビューに応えています。

 

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