Netflixで観られるダークSFドラマ「ブラック・ミラー」は、テクノロジーが人類に与える影響とその未来を描いています。中にはありえないほど誇張されたものもありますが、現代社会を映し出す黒い鏡となっているテクノロジーも多数登場します。いくつかは実世界で起きている現象に驚くほど近く、怖くなるほどです。今回は「ブラック・ミラー」に登場するもののうち、現代にもすでに存在しているテクノロジーを3つ紹介します。
-
1.ランキングベースのソーシャルシステム
モバイルゲームやオンライン製品まで、私たちは日々何かをランク付けしています。シーズン3の第1話では、ランキングベースのシステムが社会を支配する様子が描かれます。友人から全くの他人まで、あらゆる人間を5つ星で評価するのです。高評価を得て特典を獲得するために人々は闘います。評価があまりにも低い人物は、刑務所に送られてしまいます。
ランキングがゲーム内だけのものだとお考えなら、BBCの報道を見てみてください。中国政府が類似のシステムを開発中であり、家計やソーシャルの情報をもとに市民の評価を決定しようとしています。未来では、信号無視をしたために社会から隔絶されるようなことが起こり得るのです。
-
2.魂をAIにアップロードする
ブラック・ミラーの中でも数少ない明るい物語が”San Junipero”です。ここでは人々の意識を80年代風に作られた架空の街にアップロードできます。脳の働きをシミュレートしようとする試みは実際にいくつも存在しています。科学者はすでにデジタル寄生虫を作りロボットに移植しています。人工的に脳を作ることも不可能ではないのです。
-
3.思考でコントロールするコンタクトレンズ
視界をスキャン・記録するコンタクトレンズはブラック・ミラーの中に幾度となく登場します。役割はエピソードによって変化し、時には古い記憶を再生して体験できたり、また別の時には人々をランク付けするツールとして使われています。これは現在ソニーやサムスンが開発しているスマートコンタクトレンズにそっくりです。それほど遠くない未来に、こうした製品が実際に登場するでしょう。スマートフォンや声、思考を介してレンズを操作するのです。思考での操作も、かなり実現に近づいています。これら2つの技術の融合は難しいでしょうが、不可能ではありません。
ブラック・ミラーに登場するテクノロジーは普及こそまだですが、突拍子のない話ではありません。番組では高度なテクノロジーがもたらす悪夢のような現実が描かれます。個人的にこうした未来は遠慮したいところですが、少しずつ確実に、近づいてきているのです。
※本記事は、Real Life Reality Vs. Black Mirror Technology Hacksを翻訳・再構成したものです。