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1型糖尿病患者に朗報!注射に代わるインスリンの経口投与が可能なカプセル剤の開発

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本記事は、New Drug Capsule Could Deliver Insulin And Replace Injections
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約1分49秒

・インスリンを経口投与する新しいカプセル剤が開発された。
・1型糖尿病で使用されるインスリン注射の代わりになる可能性がある。
・豚を使った実験では、5ミリグラムのインスリンを投与することに成功し、副作用もなかった。

 

アメリカ疾病予防管理センターによると、アメリカでは2,900万人以上の人が糖尿病を患っており、約700万人がそのことに気づいていないそうです。また、8,600万人以上の成人(アメリカ人の成人の1/3)が糖尿病予備軍であるとされています。

 

糖尿病は血糖値が高くなり、心臓病や腎臓病などの深刻な合併症を引き起こすほか、多くの病気を引き起こします。多くの患者にとって、1日に数回インスリンを注射することが、血糖値をコントロールする唯一の解決策です。

 

ですが、毎日注射をするのは大変なことで、人によっては非常に不快な思いをすることもあります。また、注射針はバイオハザード(生物学的有害廃棄物)になります。

 

このたび、マサチューセッツ工科大学の研究者たちが、インスリンを経口投与するためのカプセル剤を開発しました。これは、1型糖尿病に使用されるインスリン注射に取って代わる可能性があります。

 

このカプセルはどのように機能するのか?

このカプセル剤はほぼブドウひと粒の大きさで、インスリンを圧縮して作った小さな針が入っています。カプセルが胃に到達すると、インスリンが胃の内壁に注入されます。

 

針の先端は圧縮されたフリーズドライのインスリンでできており、軸(胃壁に入らない部分)は別の生分解性化合物でできています。針は、糖の円盤で圧縮されたバネで接続されています。

 

出典:研究チーム

 

カプセル剤は、飲み込まれて胃に到達すると、胃の中の水分が糖の円盤を溶かし、バネを放出します。その結果、注射針が胃壁に刺さります。胃壁には痛覚受容体がないため、患者は痛みを感じることはありません。

 

カプセルは、針が常に胃の粘膜に接触するように設計されています。お腹が鳴っても【胃の収縮、腸の蠕動運動が活発になったときや、空腹時、食後などにも見られる現象】、患者が動き回っても、カプセル剤が目標の向きから外れることはありません。

 

豚を使った実験では、約1時間で、すべてのインスリンが血中に送り込まれました。最大5ミリグラムのインスリンを届けることができることが実証されました。また、インスリンが体内で溶ける速さを(カプセル調製時に)コントロールすることも可能です。

 

出典:Felice Frankel

 

インスリンを放出した後、カプセルは消化器官を通過することができ、副作用を引き起こすことはありません。今回の実験では、研究チームが豚の内視鏡検査を行ったところ、胃への注射による異常や組織損傷の兆候は見られなかったということです。

 

次のステップは?

研究チームは、自己志向ミリメートル単位作動装置(SOMA)と呼ばれるこの新しい技術をさらに最適化する予定です。これは、通常であれば注射しなければならない、他のタンパク薬物の送達にも使用できる可能性があります。さらに、核酸を用いた治療法にも役立つかもしれません。

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