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モバイルカメラ活用術!血液中の極めて希少なタンパク質を簡単に測定する新手法

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本記事は、New Method Uses A Cellphone Camera To Measure Extremely Rare Proteins In Blood
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分1秒

・研究者らが、市販の部品を使って、単一タンパク質を数分以内に同定する新しい技術を構築した。
・既存の最先端のタンパク質検出アッセイよりも1000倍感度が高く、コストも大幅に低い。

 

血液中の超希少タンパク質を同定する能力は、例えば、重篤な脳損傷の診断や、関連バイオマーカー【ある疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標】がごく少量含まれる特定の癌の早期発見など、特定のケースにおいて数十万人の命を救う可能性があります。

 

既存の超高感度タンパク質検出技術は、高価な光学系、流体ハンドラー、かさばる装置に依存しているため、その使用は研究室での使用に限られています。また、これらの技術は通常、数千万個の液滴を連続的に生成、制御、測定する必要があり、このプロセス全体には数日を要するのです。

 

このたび、ペンシルバニア大学の研究者たちが、市販の部品を使用して、数分以内に単一タンパク質を同定できる新しい方法を構築しました。

 

研究チームは、ストロボLEDライト、従来型のモバイル【携帯電話用】カメラ、マイクロ流体液滴発生装置を用いて、既存の最先端タンパク質検出アッセイ【分析】よりも1000倍感度が高く、コストが大幅に低いシステムを構築したのです。

 

標準的なタンパク質検出アッセイと新しい手法の比較

酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)と名付けられた標準的なタンパク質測定法は、1970年代後半に初めて説明されました。この生化学的分析法では、抗体を対象のタンパク質に結合させ、試料の色の変化(抗体に結合した酵素への反応)を分析します。

 

この方法は、家庭用HIV検査など、数多くのポイントオブケア【簡易迅速検査】診断ツールで実施できます。しかし、タンパク質の濃度が非常に低い場合、この方法は機能しません。

 

一方、新しく開発された方法は、それらのタンパク質を正確に算出することができ、感度は約1000倍です。この方法では、試料を微小液滴に分割することにより、一度に1つのタンパク質を測定します。

 

このプロセスを高速化するため、研究チームは並行して作動する数百の微小液滴発生装置を考案しました。微小液滴が蛍光マーカー結合タンパク質から構成されているかどうかを識別するために、従来型のモバイルカメラが使用されます。

 

モバイルカメラで微小液滴を撮影する新しい検出システム
出典:研究チーム

 

しかし、モバイルカメラは1秒間に約100枚の画像しか撮影できないため(このプロセスには遅すぎます)、連続する2つの液滴からの信号が重なってしまいます。

 

この問題を解決するため、研究チームは光源を使い、カメラのフレームレートの1000倍の速さで液滴を照らしました。ストロボ光を信号でエンコードし、1つの微小液滴を他の液滴から分離しました。ストロボ光のパターンは決して繰り返さないため、各信号には固有のバーコードが刻印されます。

 

3つの重要な革新

この新しい方法は、次の3つの重要な革新技術に基づいています。

 

1.数百の液滴発生装置が1つのチップにエッチングされ、すべてが並行して作動できる。
2.液滴の蛍光検出を高速化する携帯電話の画像処理。
3.オンチップ【回路などが半導体チップ上にあること】のディレイラインとサンプル処理の統合により、血清-応答デバイスの操作を可能にする。

 

この超高感度で多重化されたバイオマーカー検出技術は、デジタルアッセイが大きな影響を与えうる使用現場に直接持ち込むことができます。

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