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OCT(光干渉断層撮影)ベースの新技術で耳の中の音の伝わり方を視覚化

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本記事は、New Instrument Visualize How Sound Travels Through The Ear
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約1分57秒

・OCT(光干渉断層撮影)振動記録という新しい技術により、音が引き起こす振動が耳の中をどのように伝わるかを視覚化できます。

・医師が手術を行わずにさまざまな中耳疾患を区別するのに役立ちます。

 

鼓膜は耳に入ってくる音響エネルギーを集め、耳小骨を通して蝸牛に伝えます。これは内耳で神経信号に変換されます。中耳の損傷を診断するために、医師は鼓膜と中耳の振動音響分析を行います。

 

中耳の特定の位置で音による振動を調べるために、以前の手法では、容量性プローブ、ストロボ顕微鏡、およびメスバウアー効果を使用していました。一方、最新の手法では、ホログラフィーやドップラー振動計などのより感度の高い光学干渉法に依存しています。

 

最近、マサチューセッツ総合病院の研究者らは、音が引き起こす振動が耳の中での伝わり方を視覚化できる新しい機器を開発しました。耳がどのように音波を集めて処理するかについての詳細画像を提供します。さらに機能が強化されれば、この技術、OCT振動記録は、聴覚障害の診断に使用できます。

 

どのように機能するか?

 

この新しいデバイスは、光干渉断層撮影(OCT)として知られる高度な生物医学画像法を使用して、組織の微細構造の高解像度画像を生成します。音波を機械的振動に変換する中耳の耳小骨(体の中で最も小さい骨)を正確に画像化します。

 

これらの振動を測定するために、研究者らはハイファイスピーカーの音をOCT測定器と同期させました。耳が音を受け取ると、骨が動き始め、OCTが動きを撮影します。次に、OCT画像は、この研究で開発された耳の振動を正確に測定するための特別なアルゴリズムに送られます。

 

以前の手法では、骨の30カ所の位置の動きを測定できますが、新しいOCT手法では、耳小骨表面と鼓膜の10,000カ所以上の位置での動きを同時に測定できます。

 

著者らは、チンチラの死体でこの手法をテストしました。音によって誘発される鼓膜の動きが測定され、高周波で中耳小骨動作の固有モードが撮影されました。これは医者が損傷した耳を修復するための新しい方法を開発するのに役立つ可能性があります。

 

中耳の問題を検出する手法はすでにいくつか存在しますが、正確な位置を診断するには、手術によって鼓膜を動かす必要があります。この技術は、医師が手術を行わずに複数の中耳疾患を区別し、さらなる治療のための戦略を立てるのに役立ちます。

 

なぜチンチラが実験に使われたのか?

 

画像クレジット:ウィキメディアコモンズ

 

チンチラは耳の大きさとさまざまな可聴周波数に対する感度が人間の耳と非常によく似ているため、ほとんどの聴覚研究で使用されています。この研究では、測定を実行するのに1分近くかかり、その間、生きているチンチラの心拍と呼吸が動作データを歪める可能性があったため、死体が使用されました。

 

現在、研究者は、最大5カ所で撮影された動作データを中耳全体と鼓膜のOCT画像と組み合わせて、生きている動物の耳の障害を診断するのに十分な詳細を提供できるかどうかを解明しようとしています。

 

間もなく、研究者らは人間の死体でシステムをテストして、人間の耳がどのようにチンチラの耳と異なるかを見つけていくでしょう。特殊な聴覚障害の診断など、特定の臨床的な応用にこの技術を適用する新しい方法を調べていくことになります。

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