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新発見!ガンマ線バーストと極超新星との関連における未知なる要素「繭」が解明された

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本記事は、The Missing Link Between Gamma-Ray Bursts and Hypernovae
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分14秒

・大質量星の死に関する興味深い洞察を明らかにする新しい要素を天文学者らが発見した。
・それは、親星の表面で物質の噴射を伴う熱い繭のようなものである。

 

ひとつの星の死は、それがどのような種類の星であるかによって異なります。太陽のような質量の小さい星は静かに死んでいきますが、質量の大きい星は極端な爆発現象に見舞われます。このような爆発は、銀河系全体の明るさを凌駕することもあります。

 

これらの過程は宇宙では何十億年も続いていますが、天文学者たちは1998年まで、超光速の超新星(極超新星【通常より爆発エネルギーがはるかに大きい超新星】とも呼ばれる)とそれに続くガンマ線バーストを検出することが出来ませんでした。この発見により、超新星とガンマ線バーストの間に関連性があることが明らかになりましたが、この2つの現象がどのように関連しているのかは、まだ謎のままでした。

 

最近、国際的な天文学者チームが、このような現象の新たな要素を検出し、ガンマ線バーストや極超新星を発生させる大質量星の死に関する興味深い洞察を明らかにしました。

 

新たな要素とは?

今回、研究チームは太陽の25倍以上の質量を持つ星を観測しました。このような巨大な星は、核燃料(水素とヘリウム)がなくなると崩壊し、外層が超新星として爆発します。超新星爆発の後に残るのは、中性子星かブラックホール(十分な質量がある場合)に変化する非常に密度の高い星の核で、同じ瞬間に2つの極性噴射物質が放出されます。

 

この噴射は星の外層を突き抜けるほど強力で、星の外に出ると、地球から検出できるガンマ線を発生させます。そして、外層が放出され、非常に明るい極超新星爆発を起こします。

 

これまで天文学者たちは、ガンマ線バーストを伴わない極超新星を数多く発見してきました。そして、この現象が起こる理由は、これまで説明されていませんでした。

 

今回の研究では、さらに別の要素が存在することが示唆されました。それは、星の外層を伝播する噴射の周囲に生じる高温の「繭」のようなものです。この噴射は、星の外層を伝播する際に、そのエネルギーの相当量を繭に伝えているのです。

 

極超新星の想像図
出典:Anna Serena Esposito

 

噴射が星の外層を突き抜けると、ガンマ線放射が発生します。しかし、場合によっては、十分なエネルギーがないため、星の表面に到達できず、星周媒体に出現しないこともあります。このような場合、天文学者はガンマ線バーストを伴わない極超新星だけを観測することになります。

 

繭は、これまで探索されてきた2種類の極超新星をつなぐものであり、観測された違いは、詰まった噴射で説明できるでしょう。

 

事象の観測

天文学者たちは、2017年12月5日に約5億光年離れた銀河系で検出されたガンマ線バースト(GRB 171205A)を研究しました。これは、これまで検出された長いガンマ線バーストの中で4番目に地球に近いものでした。この極超新星の詳細は、スペインのラパルマ島にあるカナリア大望遠鏡(10.4m反射望遠鏡)を用いて撮影されました。

 

最大輝度時のGRB 171205A

 

その結果、驚異的な速度で膨張し、化学組成もこれまでの記録とは異なる特異な要素が観測されました。この速度や化学組成は、星の表面で物質の噴射に伴う繭の存在と一致しました。

 

予想通り、繭が恒星の内部から物質を引きずり出したのです。最初のうち、繭はガンマ線バーストよりも多くのエネルギーを放出し、噴射がそのエネルギーの大部分を繭に伝達したことを示しました。数日後、この繭は消え去りました。

 

これらの観測結果から、ガンマ線バーストのエネルギーは、繭だけでなく、恒星物質と噴射の相互作用に依存していることがわかりました。また、この研究は、超新星の標準モデルの見直しが必要であることを示唆しています。

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