話題

話題

PR

より高度な実験や研究の力強い味方!粒子を光速の99.9999999985%まで加速する放射光施設「Max IV」の巨大マシン

RankRED

RankRed is a place where you can find a lot of interesting and inspiring stuff about science and technology, internet, programming tools and plugins, robots, machines and high tech gadgets, and much more.

本記事は、Giant Machine Accelerates Particles To 99.9999999985% Of The Speed of Light
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

85 views

読了時間 : 約2分10秒

・Max IVは、この種のシンクロトロンとしては最も強力で、世界で最も明るい光源である。
・直径1cmの528mの蓄積リングの中で、電子の束を光速の99.9999999985%まで加速する。

 

MAX IVはスウェーデンの先進的な放射光施設です。3GeVと1.5GeVの蓄積リングと線形加速器で構成されています。3GeV蓄積リングの周長は528メートルで、硬X線用に最適化されています。一方、1.5GeV蓄積リングの周長は96メートルで、紫外線と軟X線に最適化されています。

 

MAX IVの1.5GeV蓄積リングにあるビームライン「FinEstBeAMS」は、広く可変的かつ精密に制御されたパラメータで紫外線と軟X線放射を提供します。このビームラインは2018年に国際企業によって700万ユーロの予算で建設されました【ビームライン:蓄積リング内を周回する電子から発生した放射光を取り出し、様々な実験に利用するために、リングの周囲に接線方向に設置される設備】。

 

このビームラインには2つのグループがあり、1つは界面と表面の高真空研究に特化し、もう1つは気相実験と固体中のフォトルミネッセンス【物質に光を照射し、励起された電子が基底状態に戻る際に発生する光】に焦点を当てています。

 

世界最先端のシンクロトロン

MAX IVは円形加速器であるため、シンクロトロン【ベータトロンとシンクロサイクロトロンの原理を組み合わせた円環状の加速器】としても知られています。電子や陽子などの粒子の雲を円形の経路で加速するものです。これらの粒子が十分な速度に達すると、明るい短波放射が放出され、それによって科学者たちが物質の内部構造を解明することができるのです。

 

MAX IVは、この種のシンクロトロンとしては最も強力で、世界で最も明るい光源です。直径1cmの528mの蓄積リングの中で、電子の束を光速の99.9999999985%まで加速することができます。

 

MAX IVの航空写真
画像出典:Wikimedia

 

放射された光は最終的に様々な終端局に導かれ、そこで様々な研究や実験が行われます。科学者たちが様々な物質の電子構造や特性を調べるのに役立っています。

 

最近の実験の一例

2019年、エストニアのタルトゥ大学の物理学者たちがMax IVで行った実験結果に基づく研究論文を発表しました。研究チームは、3つのイオン液体の複雑な電子構造を調べ、それを紫外光電子分光法によって気相で調べました。

 

イオン液体は、液体で存在する塩(えん)です。その融点は任意の温度より低く、たとえば摂氏100度以下です。ガソリンや水などの一般的な液体とは異なり、イオン液体は主にイオンと短寿命のイオン対を含んでいます。

 

イオン液体には数多くの潜在的用途があります。そのひとつがスーパーキャパシタ【電気二重層を利用したエネルギー蓄積・供給のデバイス】への利用で、これは大量のエネルギーを貯蔵し、短時間で驚くべき電力を供給するものです。

 

これまでのところ、科学者たちは、イオン液体が他の物質よりもスーパーキャパシタの電解質として適している理由を正確には発見できていません。様々なイオン液体の性質をよりよく理解するためには、高度な実験技術を用いてその電子構造を研究することが重要なのです。

 

研究チームは、このビームラインの強力な光子束に驚かされました。かつてないスペクトル分解能と短いデータ取得時間で実験を行うことができるのです。

 

これまでに、この放射光施設は、Lumifor社やClifton社など、エストニアの複数の企業に利用されています。Lumifor社はより効果的な放射線検出器を開発するために複雑な線量計材料を研究し、Clifton社はマイクロエレクトロニクス用の通常の半導体の特性を分析しました。

おすすめ新着記事

おすすめタグ