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世界初 カーボンナノチューブを用いたマイクロプロセッサを開発 16ビットで省サイズな未来のプロセッサ

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本記事は、World’s First 16-Bit Microprocessor Made Of Carbon Nanotube
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分57秒

・研究者は、14,000を超えるカーボンナノチューブで構成される16ビットマイクロプロセッサを実証しました。

 

・RISC-V命令セットアーキテクチャでは、あらゆる形式、種類の命令を実行することが可能になります。

 

現在、コンピュータ業界全体はシリコントランジスタ一辺倒です。これは、0ビットと1ビットを切り替え計算を実行するマイクロプロセッサの最も重要な部分となります。

 

金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、エレクトロニクスの分野に革命をもたらしました。1960年から2018年の間に、約13兆ものMOSFETが製造されてきました。

 

Intelの共同設立者のGordon Mooreが予測したように、集積回路の1平方ユニットあたりのトランジスタ数は、過去60年間で毎年2倍増になっていきましたが、Moore氏を含む多くの専門家は、これは2020-2025年までなら当てはまることだとしています。

 

近い将来、シリコントランジスタのサイズをさらに縮小することは不可能になり、科学者はますます複雑化する計算需要に対応できる代替品に取り組んできました。

 

長年の研究の結果、MITの研究者はカーボンナノチューブトランジスタで作られた機能的なマイクロプロセッサを実証しました。注目すべきなのは、このカーボンナノチューブマイクロプロセッサが、従来のシリコンチップ製造プロセスから製造できることです。

 

 

一体何をしたのでしょうか?

まず、カーボンナノチューブとは何でしょうか?グラフェンのロールアップバージョンの一種で、炭素原子間の結合が小さい構造で強度があり、並外れた電気伝導性、熱伝導性、引張強度があります。

 

カーボンナノチューブは、バイナリ状態を保持したまま最新のコンピューティングを構成できます。従来のシリコントランジスタより環境に優しくかつ高速な代替品や、電子システム用に検討されている次世代のエネルギー効率の高いさまざまなナノテクノロジーの中でも際立った存在となります。

 

今日のシリコンベースのマイクロプロセッサよりもエネルギー効率が10倍高いため、科学者はCNFET(カーボンナノチューブ電界効果トランジスタの略)構築をを長年にわたって試みてきましたが、その製造プロセスは実用的ではありませんでした。トランジスタは大規模に製造されると、さまざまな欠陥が生じるのです。

 

この研究では、研究者は既存製造プロセスから、欠陥を大幅に減らし、CNFETの製造をコントロールする新方法を発見し、14,000以上のカーボンナノチューブで構成される16ビットマイクロプロセッサを構築することに成功しました。

 

これは最新のマイクロプロセッサと同じように動作します。研究者は、RISC-V命令セットアーキテクチャですべての形式と種類の命令を実行してみて、その機能を実証しました。

 

 

 

どのようにしてカーボンナノチューブからチップを製造したのでしょうか?

通常、炭素はさまざまな形で集合しています。たとえば、高圧下では、炭素はダイヤモンドになります。グラファイト、ヘリウムガスと同様に、カーボンナノチューブは、特定の触媒を非常に高い圧力と温度の下で混合することによって作成されます。

 

これらは必ずしも純粋なナノチューブではありません。カーボンナノチューブは、コンダクタンス(電流の流れやすさ)がオフにならない金属のようになることがあり、チップを作るためには、これらのナノチューブは常に半導体でなければなりません。

 

研究者によると、半導体製造のために100%のカーボンナノチューブを獲得するのはほとんど不可能でも、99.99%にすることはできるといいます。

 

チームは、半導体ナノチューブから金属ナノチューブを分離する特別なソリューションを駆使し、さらに欠陥を除去するのにポリマーを適用しました。これで、ナノチューブをチップに組み立てる準備が整いました。

 

 

 

写真:CNFETで作られた16ビットマイクロプロセッサ

 

基板上ナノチューブを配したチップが作成され14,000以上のトランジスタをもつ16ビットチップの開発に成功しました。これまでで最も複雑なマイクロプロセッサです。以前のものは178のトランジスタを持つにとどまっていました。

 

それでも14,000でも少ないとされてしまいます。現行のプロセッサには数十億のトランジスタが含まれているからです。CNFETにはまだ乗り越えるべき課題があります。ただ、この調査結果は、より環境に優しく、より効率的な電子システムへの有望な道筋を実証しています。

 

カーボンナノチューブは、独特性とコンパクトなサイズで、シリコンよりも優れています。また、極低温では超伝導状態になり、最終的にシリコンよりもはるかにエネルギー効率が高くなります。

 

ナノチューブは、コンピューティングコンポーネントに加えて、リチウムイオンバッテリー(ストレージ容量を増やすため)、生物医学デバイス、太陽電池に応用できます。

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