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iPhoneでも人気の色ローズゴールドとは?

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本記事は、What Is Rose Gold? Composition | Price | Properties
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約6分51秒

ローズゴールドの歴史は、19世紀のロシア帝国までさかのぼります。宝石商の第一人者のひとり、インペリアルイースターエッグで知られるピーターカールファベルジーがこの貴重な金属を彼のもっとも華やかなコレクションに加えたことがはじまりでした。

 

このローズゴールドという金属は偶然から生まれたものです。イエローゴールドと銅を混ぜたところ、思いがけないような魅力なピンク色になったことから誕生しました。ロシアでは、この偶然から生まれた美しい原料でコインを鋳造して、「ロシアンゴールド」と名付けました。

このイエローゴールドと銅の組み合わせは、世界中の宝石商の間であっという間に人気になり、あとになって「ローズゴールド」と改名されました。

しかし、ローズゴールドの人気は、オリジナルのゴールドとは大きく異なり、流行に左右されるものでした。例えば、ビクトリア時代(1830年から1901年)には、ピンクは恋愛を象徴する色として非常に大人気だったのですが、そのあとにファッション業界で氷のように輝くホワイトメタルが流行しはじまると、その人気は徐々に落ちはじめました。

しかし、レトロ時代(1930年から1950年)にはまたその人気が復活しました。その後何十年ものジュエリーデザイン界は、ホワイトメタルの独占的な人気が続いていましたが、今また多くの消費者がローズゴールドに強い興味を示し、その人気が復興しはじめています。特に家電業界においては、ローズゴールドがはじめて大きな人気となっています。

 

この記事では、ローズゴールドとは何か、このローズゴールドはほかのゴールドとどのように違うのか、また、なぜ人気になっているのかについての全容を説明していきます。では、まず基本的なことから見ていきましょう。

ローズゴールドの原料は何?

ローズゴールドは自然に産出されるものではありません。高温でいくつかの金属をブレンドし、合成してつくり出すものです。

ローズゴールドは、純金と銅の合金です。これらの2つの金属の配合比率により、最終的な製品の色とキャラットが変わります。最も高価なローズゴールドの配合比率は、純金が91.66%、同が8.33%のものです、これは22Kのローズゴールドとよばれます。ときには、少量の銀が加えられ、ローズゴールドの別種、「ピンクゴールド」とよばれるものがつくられることもあります。このピンクゴールドは、75%の純金、22.5%の銅と2.75%の銀の割合で配合された合金です。

大手の宝石会社は、完璧なローズの色を出すために数えきれないくらい多くの実験を行いました。この特殊技術は、厳重に保護され、企業秘密とされました。

ローズゴールド VS 純金

物質そのものだけを見ると純金は赤みをおびた黄色い色の柔らかく密度の高い延性のある金属です。ほかの物質と合成したとき、純金は固く耐摩耗性に優れた物質に変わるため、さまざまなタイプのジュエリーとして加工できるようになります。

金のジュエリーは、キャラットで金の配合度合が示されます。24Kは、99.9%の純度があり、純金という名称で知られます。これは、ほとんどほかの金属が含まれず、24Kよりも高いカラットの金が市場に出回っていないためです。

22Kは、金の純度が91.6%あります。これは、24Kと比較すると、22の部分が金で、あとの2部分が他の金属でできているという割合であると考えられます。24Kと比べて、硬度が高く、安価です。

18Kは、18部分が金で、残りの6部分が他の金属でできているという配合割合になります。金の純度は75%あります。これは、22Kと比べると、ほかの金属の配合割合がより多いため、硬度が高く、割安になります。

ローズゴールドは、銅と、場合によっては銀を純金に加えて生成された金です。違った配合率でこれらの金属を混ぜ合わせ、違った色のローズゴールドをつくりあげます。ほかの金属の配合率が高いほど、ローズゴールドのキャラットは低くなります。

ローズゴールド
(キャラット)
22K 91.66% 8.33%  
18K 75% 22.25% 2.75%
14K 58.33% 32.5% 9.15%
10K 41.66% 38.33% 20%
9K 37.5% 42.5% 20%

ローズゴールドでは22Kが一番高いキャラットとなっています。

ローズ、レッド、ピンクゴールドの違い

ローズ、レッド、ピンクゴールドはどれも似たような名前のため、どの名前を使ってもそう変わりはないと考えられることもあります。しかし、この色の違いは銅の配合率によるもので、より銅の配合率が高くなるにつれて、暗めの色合いになり、赤みが強くなります。

 

レッドゴールドは、銅の配合率が最も高く、ピンクゴールドは最も銅の配合率が低くなります。レッドゴールド、ローズゴールド、ピンクゴールドそれぞれの、金、銅、銀の配合率の例は下記のようなものになります。

・9Kレッドゴールド 37.5%金、55%銅、7.5%銀

・12Kレッドゴールド金、銅、銀同率で配合

・18Kレッドゴールド75%金、25%銅、

・18Kローズゴールド 75%金、22.25%銅、2.75%銀

・18K ピンクゴールド 75%金、20%銅、5%銀

ローズゴールドの長所と欠点

ローズゴールドは、地球上で最もロマンティックな材質であるだけではありません。ほかにもいくつかの優れている特質があります。

・通常の状態で保存すれば、錆びたり、変色したり、腐食する心配がありません。

・プラチナよりも打ち延ばしやすいため、複雑なデザインに成形しやすい

・ホワイトゴールドと違い、その色を保持するためのロジウムメッキが不要

・金の値段は、ほかの金属に比べて安定しているため、投資目的での購入としても有用(特に不景気の時期)



ただ残念ながら、ローズゴールドにもほかの金属と同様に欠点もあります。

・ローズゴールドのジュエリーはイエローゴールドやホワイトゴールドと比べて一般的ではないこと

・固く、耐久性があるものの、女性が毎日身に着けていると、やはりすり傷などがついてきてしまう

・可能性は非常に低いものの、銅を含有するため、まれに金属アレルギーを起こす可能性がある

ローズゴールドの値段

米国では、大体1グラムあたりのローズゴールドは、約下記の値段くらいで取引されています。

・22キャラット 57USD/グラム

・18キャラット 46USD/グラム

・14キャラット 36 USD/グラム



これは、加工費を除いた材料のみの価格です。宝石として加工した場合、大体これに6%から14%の加工費が上乗せされます。宝石商によってはより高い金額が上乗せされる場合もあります。商品の価格は、供給(可用性)と需要(必要性)のバランスを反映したものになるでしょう。

ローズゴールドの長い歴史

1850年、13.6トンもの金を積んだ蒸気船が南カリフォルニアの海に沈みました。 1988年に沈んでしまったかなりの量の金と骨董品は陸の上に引き上げられ、多くの研究者がこれらの引き上げられたものについて研究を行いました。

2017年、コロンビアで考古学者が少し赤みがかった西暦1000年ころにつくられたとみられるジュエリーを発見しました。アンデスの全地域は歴史的に優れた金メッキ技術を有する職人が多いことで知られおり、金属には金メッキをほどこし、黄金色に見えるようにつくられるのが常だったため、この少し赤みがかったジュエリーの色は少し異色のものでした。

アンデス地域では、通常安価な金属の表面に金箔を貼り金色に見せていました。しかし、 アンデスの金細工職人の中には、「色揚げ」と呼ばれる金と銅を混ぜ合わせた塗料を塗ったうえで酸化させ表面を磨きて仕上げることにより、この金属が本物の金でできているように見せる技術を使う者もいたようです。

コロンビアの首都ボゴタにある金の博物館の研究者は、ナフアン文化(AD 100 – 1000)時代につくられたと見られる44種類のピンク色の金属工芸品を調査し、金細工師は金箔を貼る代わりに、これらの金属を磨いて表面下にあるオレンジとピンクの色相を露出させる技術を使っていたことを発見しました 。

よくある質問

なぜローズゴールドは人気があるでしょうか?

ローズゴールドはジュエリーに使用されるだけでなく、メイクアップや家具、家電ハイテク機器など、業界を超えて広く採用されています。たとえば、2016年に販売開始されたiPhone 6Sでローズゴールドが採用されたことにより、ハイテク業界でさらなる人気色となりました

また、ローズゴールドは、希少価値があるため、一般的なものより、希少なものを好まれる傾向にあるファッション業界でも、ローズがかったゴールドという色は理想的だと考えられました。今日では、男性でも女性でも多くの人がローズゴールドのジュエリーやアクセサリーを身に着けているのを見かけます。

さらに、2016年、色見本帳メーカー大手として知られるパントン社のカラー・オブ・ザイヤーにローズゴールドと似たローズクォーツが選ばれました。世界中で起こっている戦い、抗議運動、暴動などに対して、ローズクォーツの色は「秩序と平和を象徴する色、人々に語りかけるものを感じさせる色である」ということから選ばれました。

ゴールドローズが人気の理由として、ほかには下記のようなものが挙げらています。

・ビンテージ製品のような風合いがあること

・落ち着いた涼やかな色味

・おもいやりを感じる温かみのある色合い

・誰にでも似合う高い親和性を持っていること

ローズゴールドはイエローゴールドより高い?

ローズゴールドは、すべてが純金でできているわけではないため、イエローゴールドより高いというわけではありません。金の品質を示すキャラットにより値段が指定されてきます。18Kまたは14Kのローズゴールドと、18Kまたは14Kのイエローゴールドは純金の含有率がほぼ同じのため、同じくらいのコストがかかります。

ローズゴールドの値段は、合金の配合率、デザインの複雑さによっても変わってきます。18Kのイエローゴールドのジュエリーは、同じデザインだった場合18Kのローズゴールドのジュエリーよりも高いでしょう。18Kのイエローゴールドのほうが、銀の含有率が高いためです。

ローズゴールドは変色してイエローゴールドになるのか

ローズゴールドがイエローゴールドに変色することはなかなか起こりにくいのですが、時間をかけて変わっていく可能性はまったくありえないことではありません。それは、銅が反応性の元素のため、通常の状態でも酸化還元され変色を引き起こす特性を持っているためです。

また、汗や海水につけたり、ボディケアプロダクツなどがついたりすることでも、変色を引き起こす可能性があります。長時間、繰り返し太陽光や、湿気にさらしたり、普段使いをする上での刺激を受続けることで、ローズゴールドの赤みやピンクがかった色が失われることがあります。

しかし、幸いなことには、このような変色は表面だけに限られるということです。ジュエリーを研磨すれば、また元通りの色に戻すことができます。変色や劣化をできるだけ防ぐためには、ジュエリーを身に着けないときは、乾燥した気密容器に保存しておくことが推奨されます。

ローズゴールドジュエリーはどのように日常の汚れ落としをすればいいの?

ほかのジュエリーと同じく、ローズゴールドジュエリーもやさしくそっと汚れを落とす必要があります。ぬるま湯に中性洗剤を少し入れた中に、ジュエリーを15~20分浸します。そのあと、柔らかい毛の歯ブラシと、柔らかいコットンの布を使用し、表面の汚れをゆっくりと丁寧に落としていくようにします。

たまにこのケアをするだけで、ローズゴールドのジュエリーの輝きを長くキープすることができます

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