数年前、とある開発者ミーティングを訪れたのですが、そこにいた私は、一切れのピザをぎこちなく持ちながら、人に話しかける勇気をふり絞ろうとしていました。
その部屋にいた30人ほどの参加者のうち、女性は私だけでした。実はそのミーティングは、長年女性参加者が一人もいなかったらしいのです。
部屋には連絡先を交換する人々、楽しそうに話す人々などがいましたが、私に話しかけてくれる人は誰もいませんでした。そのかわり、みんなはこちらに歩いてきて私を観察し、近くの別の人の方へ挨拶をしに行ったのです。
私は思い切って近くのグループにコードの話をしに近づきました。するとグループはすっと静かになり、その後、フレームワークの話ではなくその日一日がどうであったかを尋ねられました。技術的な話をしようともしたのですが、結局その努力は無駄に終わりました。
そんな経験をした私は初めはとても腹を立てたのですが、何日かするとそれが興味深くなってきたのです。Stack Overflowの行った調査によれば、回答者の92.8%が男性、5.8%が女性でした。管理や営業、物流部門を合わせても、女性は25%にしかすぎません。IT業界は確実に、多様性の問題を抱えているのです。
そんな中、苦労をしつつも何とかいくつかのロールモデルを構築することができました。
・ジーナ・トラパニ(テックブロガー、ウェブ開発者、ライター)
Lifehackerの創業者として有名な彼女ですが、他にもいくつものプロジェクトで仕事をしています。Makerbaseのような優れたアプリやサイトを構築しましたが、私が彼女を好きな理由はテクノロジーを通じて多様性の問題を解決しようとしているからです。Narrow the Gappというプロジェクトで、アメリカでの性別による賃金格差を簡単に見ることができます。
・サラ・クラッターバック(LinkedInエンジニアリング上級理事)
LinkedInで働く彼女は人、チーム、プロセス、ロードマップについて仕事を行っています。プライベートでも自らコードを書き、オープンソースプロジェクトに貢献しています。
・メービッシュ・マッシュタグ(アプリ開発者)
2013年、彼女はインドのジャム地方とカシミール地方における最初の女性Androidアプリ開発者となりました。彼女が開発したDial Kashmirはカシミール地方の人々500万人に愛用されています。
女性がIT業界でうまくやっていくのは、残念ながらまだ苦労があると言わざるを得ません。しかし少ないながらも、確実に女性は存在します。こうした例がIT業界で働く女性たちの力になればと願っています。
※本記事は、6 female developer role models that are breaking the gender stereotypeを翻訳・再構成したものです。