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世界中で愛されるデザインはどうやって生まれるのか?LEGOのデザイナーが語る5つのデザイン理論

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誰もが一度は触ったことがある「LEGO」。

ちょうど100年前の1916年にデンマークの小さな木工所から始まったLEGOは、いまや世界中で愛されるおもちゃ会社へと成長しました。

 

今回はデンマークのLEGO本社でデザイナーとして働いていたジョナサン・ブリー氏のお話をご紹介します。

 

彼は大学を卒業後、LEGOに入社し、ある極秘プロジェクトに携わっていました。

「LEGOハウス」と呼ばれるそのプロジェクトは、12,000㎡もの巨大な土地に、23mもの高さの”現実の”建物を建てるするというもので、LEGOのこれからの企業価値と企業理念を示すようなものになるそうです。

現在は建設の真っただ中で、2017年の後半に完成すると言われています。

 

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LEGOハウスの建設現場

 

彼がLEGOでデザイナーとして働いた中で経験した出来事は、以降の仕事のアプローチの仕方に大きな影響を与えました。

記事では、その中でも特に衝撃だった5つがシェアされています。

ユーザーに愛されるデザインとは何なのか、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

1. ユーザーが経験するあらゆる瞬間を想定する

デザイナーや起業家は、製品・製品テスト・運送などにばかり目を向けますが、実際には製品に触れるということは、ユーザーにとっては経験というパズル内にある1ピースでしかありません。

製品の使用前はユーザーはどこで何をしていたか?

どうやってユーザーは製品を見つけたのか?

製品の使用後、ユーザーは何をするだろうか?

すべての製品はサービスの一部であるということを認識ししなければなりません。

 

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上の図はレゴで使われているツールのひとつです。

「リチャードさんという人(ペルソナ)のニューヨークまでの旅」を時系列に細かく分けて、状況ごとのユーザー心情を分析しています。

このように、ユーザーの行動を細かく想像することで、ユーザー体験を向上させることができるのです。
 
 

2. 遊び要素を入れる

すべての製品は、ユーザーの心を動かすような機能性を有する必要があります。

製品でユーザーを満足させる方法とは、製品によってユーザーの仕事の負担を取り除いたり、ユーザーが感じる楽しみを増やすということに他なりません。

 

まるで遊びのような、驚きの瞬間をあらゆるものに」というレゴの社訓があります。

 

おもちゃ会社としては珍しいものではないかもしれませんが、このアプローチが市場で受け入れられつつある分野は様々なところにあります。

たとえばGoogle Chromeは、インターネットが上手く繋がらないときに簡単なゲームを提供しているのをご存知でしょうか?

 

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どんな製品であっても使うのは実在する人間。

ちょっとした驚きや楽しい瞬間を盛り込んでおくことが、成功と失敗を分けるカギになってくるのです。

 

 

3. 頭だけではなく、手を動かしてみる

鉛筆を使って設計を考えていた私に対し、先輩社員は「スケッチをするんじゃなくて、作ってみるんだ」と教えてくれました。

何を作るにも、一度形にしてみることが製品を理解する一番の近道なのです。

 

CADやワイヤーフレームによって机上の空論を模索するよりも、3次元的にチェックすることは何にも代えがたい方法です。

より早い段階で実際にプロトタイプを作ってみることは、よい早い改善へとつながります。

 

さあ、紙から離れましょう。
 
 

4. よりよい結果を求め、分解を恐れない

デザインをしていると、時に一からやり直す必要がある場面に出くわします。

何かが正常に働かないときには、単純なミスによるものがほとんどなので早急に確認しましょう。

ですが、そうすると実際に作り直すことで前のデザインの弱点を知るというチャンスを逸してしまいます。

 

LEGOでは何かを製作するときには、すぐに次の試作へ取り掛かる習慣があります。

なぜなら、そうすることでより製品に対する理解が深まるからです。

 

一見すると、より労力と時間を必要とする作業ですが、結果としてより良い製品に仕上がるのです。
 
 

5. シンプルさは強さである

Twitterが140文字の制限でユーザーの文字を生み出す心理的抵抗を払拭したのと同様に、LEGOはユーザーに迅速さ、効率の良さ、そして適当さ(これが最も大事)を与えました。

 

適当さとは何なのか? それは節操の無さとも言えますが、すなわち新しいことへ次々に手を出すことを意味します。そうすることで、あらゆる人々はチャレンジし、そして成功する人も出てくるでしょう。

 

レゴブロック同士をつなぐことに間違ったやり方などありませんし、ツイートすることについても同じですよね。
 
 

6、予定が変わることに寛容になる

冒頭で「5つの教え」と言っておきながら6つめを挙げてしまいました。

ですが、時にはこのようにプラン変更を余儀なくされたり、精魂こめて練り上げたプロジェクトを一瞬で終わらせる必要もありますよね。

 

いま作ってるものが一体何なのかよく分かっていないなんてこともきっとあるでしょう。

予定というものは変わっていくものなんですからしょうがないです。

 

 

以上が、ジョナサン・ブリー氏がLEGOで学んだ6つのことになります。

世界のユーザーを視野に入れた企業だからこそ、ユーザー体験を徹底していることが伺えましたね。

 

この記事は「5 Things I Learnt as a Designer at LEGO」を翻訳・参考にしています。

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