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【18の裏技】デザインスプリントを最も有効活用するには?

本記事は、18 Tips to Run a Design Sprint
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約8分1秒

 

 

今まで、デザインスプリントについては何度も話してきました。そして、この方式は長期的に根付いていくものだと、私たちは強く信じています。ただし、この方法を有効活用するには、賢い使い方が必要になってきます。そこで、スプリント一つ一つの利点を活かすための、裏技を紹介していきましょう。

 

まず初めに知っておいてほしいこと:私たちはスプリントを愛しています。たったの2日で全てが進化していく様子や、クライアントの会社や部署のことを学び、彼らの働き方、互いに意思疎通する様子、そして試行錯誤の末、決断まで至る様子に喜びを感じるのです。デザインスプリントは、それぞれの商品のアイディアが認められる初めの段階から、特定の機能やすでに存在する商品への改善点のためにも、大切なカギとなってくると私たちは信じています。

 

さらに昨年、メンバーの一部でジェイク・ナップ氏のワークショップに参加することもでき、1年を通していくつものスプリントに力を注いてきました。これらが理由で、小さなジェットコースターのように感じたスプリントですが、これまで私たちが学んだことや、みなさんにこのスプリントを楽しんでもらえた理由などを、シェアしていこうと思います。

 

#1 プロセスを信じなさい。

 

特に初めてスプリントデザインを試すなら尚更、過程を信じる、ということが私たちからの最初のアドバイスです。手順を変える方が速かったり、簡単だったり便利だと感じることもたまにあるかもしれませんが、一度スプリントを初めから終わりまで体験することで、最後まで見届ければ、全てがきれいに型に収まっていくのが理解できるはずです。

 

スプリントは、複雑なアイディアや問題を、噛み砕いていく手助けをしてくれて、実際のユーザーで素早く試すことができます。全体のプロセスの中で、興味深い部分がフィードバックです。フィードバックを得るには、必ず一つ一つのステップを順に踏んでいく必要があるのです。

 

#2 たくさんの分野にわたる学際的チームが必要です。

 

良い成績を得るには、できるだけ多くの視点を取り入れる必要がある、とジェイク・ナップ氏は彼の著書で説明しています。例えば、経済に詳しい人、マーケティングの能力がある人、技術代表、そしてデザイナーなどです。そして、あなたが選んだトピックの専門家、そしてクライアント側からの意思決定者、大体の場合CEOやVP、チームリーダーが必要になります。決定権ある人物という点が重要です。

 

チームは7人までで抑えましょう。もし、クライアントがもっと人数を要求する場合は、スプリントの一週目、始めだけ招待して、後は専門家としてインタビューに参加してもらいましょう。

 

#3 同僚にあなたが忙しくなることを知らせておきましょう。

 

ジェイク・ナップ氏の本では、理想のスプリントは1週間で終わるものだと定められています。私たちは、AJSmartというエージェンシーからの裏技をおすすめしています。彼らは新しいバージョンのスプリントを提案しており、一定のエクササイズに時間をかけることを目的として、代わりに4日間で終わらせる方法を最適化しています。

 

私たちは、3日と4日どちらも体験したことがあります(ここ最近は試作の段階に余分に何時間か、かかっています)。時間が厳しくて、ミーティングや他の責任事項のために5日間の中から時間を割くことが難しい場合は、大変ですが3日でスプリントを終わらせるのも便利でしょう。

 

何かあったときのために、その日付の間、自分が何で忙しくなるのか同僚に伝えておきましょう。この場合、緊急でない用事で邪魔される心配もありません。逆に、3日間のスプリントを試すなら、何人か余計に助けを集めておくべきです。特に、スプリントの最終日辺りで、テストするためのユーザーを募集する場合は尚更ですね。

 

#4 進行役は皆の期待値を揃えましょう。

 

進行役は、チームがどんな業務をしていくのか、どんなことを期待して臨んでいくのかを明確に説明しましょう。さらに、スプリントの最中は周りに気を配り、誰も置いて行かれないように、スプリントの以外のことに脱線しないように常に確かめましょう。一人ひとりの期待値が違うケースも多いので、しっかり皆が同じ共通認識を持つように促しましょう。

 

#5 進行役は、意志決定はしません。

 

短いですが、重要なアドバイスです。いつでも覚えておいてください:進行役が決め事をすることはありません。進行役は、チームがスプリントの間に決めた事を繰り返す役です。ここでは進行役が決定権を持つことはありません。

 

#6 雰囲気づくり、環境づくりをしましょう。

 

スプリントのチームでは皆が快適であり、他のことに目移りしない配慮が必要です。いつでも何か食べれるものを用意しておきましょう。スプリントの最中で寝落ちしてしまうといけないので、ヘルシーなスナックがおすすめです。

 

また、ホワイトボードは複数用意するのがカギです。集めた全ての情報を、皆が見えるところに書き出す必要があります。1度会議室でスプリントをしたら、そのままの状態で部屋を残しておきましょう。これは、1日の終わりに全部きれいに片づけてしまって(少なくとも30分はかかります)、次の日の初めにまた同じことをボードに書き出すのを(プラス30分)、できる限り防ぐためです。

 

最後に、集中しやすい音楽のリストを用意しておくと、個人的にエクササイズに打ち込むときとても便利です。

 

もちろん、以下も準備しましょう:

 

使いやすいサイズの黄色のポストイット
黒、緑、赤のホワイトボードマーカー
黒のマジックペン
印刷用紙
テープ
大小の丸シール
ストップウォッチ

 

#7 みんなの緊張をほぐしましょう。

 

気持ちの良いスタートを切るには、スプリントに参加する全員の仲が良いことが大切です。デザイナーと開発者は、大抵知合いでしょう。私の場合は、Lateral Viewというデジタル商品のエージェンシーで働いていて、すでにスプリントに参加したことのあるメンバーを組み入れます。

 

そうすることで、クライアント側とチーム全体の緊張がほぐれてくるはずです。しかし普段、お互い初めて会うメンバーの場合、何らかの助けが必要になってきます。初日の朝の数分を使って、お互いを知ろうタイムとして設定し、体を起こすエクササイズをしましょう。

 

#8 インタビューの質問は前もって考えておきましょう。

 

専門家とのインタビューでは、いろんなことを学べるでしょう。ただし、デザインスプリントを始める最初のエクササイズがこれなので、インタビューの速度を保てるように、質問は前もっていくつか考えておきましょう。例えば、この商品の役割は?誰が使いますか?どんな問題を解決したいですか?どこで使われる商品ですか?すでに商品が存在するなら、今は誰が使っていますか?将来はどんな人に使ってほしいですか?2年後この商品はどうなっていると思いますか?あなたが知っておきたい答えを引き出すため、このような質問を用意しましょう。

 

#9 終わりのない話し合いは避けましょう。

 

“Sketch”9章で、ジェイク・ナップ氏は、なぜ一つ一つエクササイズと、投票と蓄積の方法で話し合いを追うことが大切かを説明しています。“皆が一斉に声に出して考えるより、一人ひとりが個人的に試行錯誤するほうが、よい解決法に辿り着けるから”と彼は述べています。

これが理由で、フォーカスグループは効率的で役立つフィードバックに繋がらない、と私たちは考えています。生まれつきのリーダーは、結果を上手く促し、他のメンバーがお互いアイディアを交換しすぎるのを防いでくれます。アイディアを出し合う段階では、個人で集中し、それから匿名でアイディアを出し合い投票することを、ジェイク・ナップ氏は勧めています。

 

長期的な方針を見極めたり、スプリントの質問や会話の流れをクリアにするための話し合いは、自然と長引いてしまいがちです。だからこそ、どのチームでも一人ひとりがポストイットに個人の意見を書いて、投票するのが私たちのやり方です。これで話し合いの速度を保ち、終わりのないディスカッションを避けることができるので、エクササイズの進行を早めることができます。

 

#10 マップは簡潔に。

 

ジェイク・ナップ氏が彼の本で紹介している構造を使いましょう。完璧を目指したり、何十億もの詳細にとらわれるのは避けるべきです。全体像を思い浮かべることがより大切です。

 

#11 もしこうしたらこうかも…を無視してはいけません。

 

一見、問題に見えても、実は素晴らしいチャンスの場合が多く、ターゲットや、チームがつまづいている点を見極める手助けになります。もしこうしたらこうかも…という問題定義をマップ上に置いてみて、整理することでたくさんの答えが見えてきます。メモはただの備考だと思わず、大切なカギだということを覚えておきましょう。

 

#12 上手くいかないときは上手くいってるフリをしましょう。

 

複数のチームメンバーが同じプロジェクトに同時に取り組むことができるオンラインの場として、MarvelやFigmaが挙げられます。このプラットホームでは、皆が同じ業務に参加でき、1人がまとまった量の編集をしなくてもよいので、試作品をより早く完成させることが可能です。そして、テスト当日一発勝負にならないように、試作品は、時間をかけて事前テストを必ず実施することをおすすめします。

 

#13 テストの対象は前もって探しておきましょう。

 

この内容は本に含まれていませんが、テストの予定は複数日、事前に設定しておきましょう。できたら、さらにそれ以外にも日にちを準備しておくのがベストです。メンバーの中には、約束して確認をした後になって、やはり予定が合わない人もいるかもしれません。

 

#14 テストの台本を用意しましょう。

 

当たり前に思うかもしれませんが、試作品が完成して、テストできる目前になると興奮でこのステップを忘れがちなのです。どんな使用テストでも、台本を用意して、ポイントを押さえたテストを実施する必要があります。

 

ジェイク・ナップ氏が勧める方法はこれです。流れに沿ってカギとなるポイントを、前の黒板にまとめることで、コラム上の参加者が素早くメモを取ったり貼り付けたりできます。こうすることで結果内容が一目瞭然になるはずです。ポジティブなフィードバックと、ネガティブなもので典型例が見えてくるでしょう。これは印刷した用紙上でも確認はできますが、黒板のような視覚的理解の影響は得られないのです。

 

#15 落ち着いてテストできる環境づくりをしましょう。

 

クライアントに紹介する商品の説明は、事前に準備しておきましょう。進行役とユーザーのためには快適な環境を整えておきます。これが真剣な試験ではないことを初めに言っておくのが重要です。ユーザーに圧力がかかりすぎないよう配慮しましょう。初めの数分を使って世間話などを挟むことで、リラックスできる環境づくりをするのもよいですね。

 

面と向かっての会議でも、MeetやSkypeを通してのオンライン会議でも、自分の見えている画面を、スプリントの参加者と共有する必要があります。きちんとした設備(マイクなど)を用意して、テスト中何が起きているか、他の部屋にいるチームメンバーが観察してメモを取れる環境を整えましょう。ユーザーに考えていることを声に出して提示してもらうことも、生のフィードバックを得るために大切です。

 

*ボーナストラック:私たちは、テストをより有効活用できるようにLookBackを使います。他のチームメンバーにテスト内容を配信できるシンプルなツールです。

 

#16 慌てずに、たまには休憩を取りましょう。

 

スプリントがめちゃくちゃになったり、少し制御不能になっても怖がらないでください。そして最終的に、あなたが機械ではなくて人々に囲まれていることを忘れないでください。話し合いが上手くいかないこともあります。アイディアを集める段階で、思い通りにいかないと感じたら、15分休憩を取りましょう。

 

#17 振り返りが重要です。

 

スプリントを終えた後は、物凄いジェットコースターに乗った後の気分と似ています。すごく疲れているのに、乗ったときの気分を思い返し、もう一度やりたくて仕方ない気持ちになるのです。普段その繰り返しの精神が大切です。

 

スプリントのテストを実施した次の日、皆が休んでいる最中にすぐ振り返りができるなら、確実に興味深いフィードバックが見えてくるはずです。私たちがスプリントを完了したときは、全体のプロセスをまとめた短い振り返りを書くのが通常です。最終的なマップと、長期的なゴール、考えたスプリントの質問、チームワークの様子を捉えた写真が含まれ、スプリントの最中に出てきたどんなアイディアも書き出します。テストした試作品へのリンクと、使用者からのフィードバックも盛り込みます。

 

これらのフィードバックを読んだ後、新しいデザインスプリントが必要か、それとも製品を作る上で、それか機能を加える上で十分なステップが揃っているか決定していきましょう。

 

#18 本に戻りましょう。

 

私たちが本を読む時はいつでも、どんな本でも、その時の自分たちの知識や世界観を元に読みます。一度読んだ本を、しばらくたってもう一度読むと、最初気付かなかった点が明らかになることが多いですね。私たちは、スプリントで何度もそれと同じことをし、結果としてその本を再発見できたのです。特定のエクササイズを完成させるための違った方法が見つかり、実際にスプリントを体験することで理解できるアドバイスなどに新たに気付くことができました。

 

ジェイク・ナップ氏は、一度その文脈を体験すると、本当の意味で違いを理解することができる、と述べています。スプリントは、このプロセスを成功させるための裏技がつまった、実用的な本なのです。何度かスプリントを終えた後に読めば、よりあなたの知識が高まっているのを感じられるでしょう。

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