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アニメを使ったブランディングとは?日本が世界に誇るアニメをイメージ戦略に取り入れる方法

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本記事は、Using Anime Style for Branding
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分56秒

デザイン作成やブランディングのインスピレーションは様々なものから得ることができる。競合がひしめく中で差別化のためにフレッシュなアイデアを探し続けなければいけない。そんな中でインスピレーションを得られると人気を集めているものが、「アニメスタイル」である。

 

「アニメスタイル」とは何かの前に、アニメ自体を理解しておこう。「アニメ」という言葉は「アニメーション」に由来する。アニメは元々日本で生まれた。1940年代からアニメは物語やファンタジーの手法として用いられるようになり、90年代には日本から世界へと広まった。現在では世界中で愛されるものとなっている。 

 

アニメはそのスケールとドラマ性が魅力である。世界中で有名なアニメはいくつもあるが、その一つが「NARUTO」だ。一つのバトルが何エピソードにもわたって繰り広げられる。それぞれのキャラクターが成長していく過程が描かれ、読者を魅了する。「ドラゴンボール」もまた同じだ。不可能を可能にし、勝利を掴んでいくストーリーが読者の心を掴んで離さない。 

 

アニメとデザインの関係性は意外と古い。手塚治虫がこの分野のパイオニアである。1940年代頃から彼はアメリカのアニメやウォルト・ディズニーにインスピレーションを得て、日本のウォルト・ディズニーとして知られるようになった。アニメは様々な移行期を経て、今の形となっている。

 

アニメは流行だけでは語れない。ミレニアル世代はアニメを観て育ち、それは彼らの価値観にも影響を及ぼしている。アニメがこのような人気を誇るようになったのはなぜか、そこに大きなヒントがある。

 

製品やサービスのブランディングのためにアニメスタイルをどう使っていくか見ていこう。

  

1.フォントやデザインへの応用

 

アニメは内容を観なくても大体気に入るかどうかが分かる。文字デザインが好みを反映しているからだ。アニメの各要素は特定の年齢層の好みに合わせてデザインされている。上記のロゴから、日本人が描くものが幾何学的でメカっぽいイメージであることが分かる。このような色合いやフォントをうまく利用したデザインによりそのアニメがどのような内容かが予想できる。これがアニメをビジネスにも応用できる理由である。

 

アニメの文字デザインはブランドイメージを強調したいときに使える。ブランドに斜め文字や繰り返し出てくるイニシャルがあればモノグラムを選んでも良い。モノグラムのロゴはブランドネームが長い場合も使える。

 

アニメは多くのサブジャンルに分けられる。アニメと関係なくても企業イメージをサブジャンルに当てはめてみると良いかもしれない。例えば、幾何学的スタイルは技術系の企業にぴったり合う。

 

2.マスコットキャラクターの利用

 

 

上のようなデザインがブランディングにアニメを使った良い例である。インパクトが強く分かりやすい企業イメージができている。1つのアニメに1~2人は必ずカリスマ的人気を誇るキャラクターがいる。このようなキャラクターを企業のマスコットとして使えば多くの顧客にアピールできる。

 

これは製品の広告やブランディングに有名人を起用するのと同じようなものだ。人々は好きな有名人を広告等で見たら興味を持ち、ブランドとその有名人のイメージを関連付け、そのブランドが好きになる。

 

アニメキャラクターも同じである。人は好きなキャラクターを見たらブランドとそのキャラクターの価値を自然と紐付ける。とても簡単にブランド価値を上げることができるのだ。感情に訴えるのである。

 

アニメのキャラクターは独特で特徴が強調されているため目立ちやすい。髪型がユニークなものも多く、レスラーやコスプレイヤーたちにもインスピレーションを与えている。さらに、気高いヒーロー像は希望や自信の象徴と捉えられる。アニメのキャラをマスコットキャラクターとして使うことには多くのメリットがあるのだ。

 

3.ロゴマークやアイコンへの応用

 

 

 

どんなアニメにもロゴマークがある。各キャラクターがその特徴を表すロゴを持つ。ロゴがそのキャラの象徴となり、アイデンティティを形成するといっても良い。ロゴが様々な製品などに使われると、ファンはそれを身に着けることでそのアニメの一部となっているかのような感覚になり、そのアニメが好きなことを周囲にアピールすることもできる。

 

「ドラゴンボール」を例に出すと、悟空といえば「亀」マークが付いたオレンジ色のTシャツが思い浮かぶ。亀はドラゴンボールのアニメや漫画の中で重要な役割を果たす。同じように、「NARUTO」でも様々なロゴが使われている。術によって異なる「印」やそれぞれの「隠れ里」などロゴの種類が沢山ある。

 

このようなロゴは顧客となりうる人々の理性と感情両方に訴える。その結果、ロゴが付いているサービスや製品を買ったり使ったりするようになる。ブランドにこのような手法をうまく取り入れられれば、より長く顧客の記憶に残るし、彼らが友達に紹介したりして口コミで広まることにもなる。

 

1つの「シンボル」に企業イメージを凝縮できると考えるならアニメこそ打って向けだ。アニメにはシンボルが必ず存在する。ポケボールは「ポケモン」のシンボルであり、聖獣は「ベイブレード」のシンボルだ。同じようにドラゴンボールは「ドラゴンボール」シリーズのシンボルである。日本ではシンボルには重要な意味があり、価値があると考えられている。

 

製品やサービスの持つ特徴を1つのシンボルに落とし込めれば得られるものは多い。

 

ただし、アニメはある特定のジャンルであることに注意が必要である。ポケボールのデザインは使えないし、ドラゴンボールの製品を売ることもできない。ブランドミックスにアニメスタイルを取り入れようとする際は慎重に、知識を総動員して考えることが重要である。アニメのロゴマークをうまく取り入れられれば、新たな顧客のみならず熱中的なファンまでも獲得できる。

 

アニメを使ったブランドのストーリー戦略

 

 

アニメはストーリーテリングの手段としてとても優れている。アニメの制作者は大抵優秀な語り手であり、キャラクターの成長を描くことに長けている。これが大衆を惹きつける物語の特徴である。ストーリーテリングを通して聴衆とのつながりを創っていくこというポテンシャルが何よりものブランディングなのだ。

 

ブランドのストーリーテリングについては、そのブランドが市場でどのようにして勢いをつけていくかが引き合いに出される。ブランドが顧客となりうる人々とストーリーを共有すれば、その人々はより顧客となりやすい。もがき、困難を乗り越えてきたというそのストーリーがブランドに魂を吹き込む。視聴者は結果よりも過程に共感する。説得力のあるストーリーによって顧客を獲得できれば、その顧客はたとえ競合製品が新たなサービスなどを売り出したとしても、誠実な固定客として残りやすい。

 

ただ、説得力のあるストーリーだけでは不十分である。ほぼ全てのブランドに、ヒーローもののような、何かしらの困難に見舞われる、というようなストーリーが存在する。様々な移行期があってビジネスは展開していく。いくらストーリーが良くても語り手が欠けていれば、お粗末な語り手しかいない、ひどいストーリーと同じくらい失敗する確率は高くなる。だからこそアニメスタイルを注意深く研究し、ブランドのストーリーテリングに活用していかなければならない。

 

1.ストーリーテリングに不可欠な要素 

 

 

どんなストーリーでも特定の要素にフォーカスする必要がある。

 

例えば設定やキャラクター、アクションの連続やバトル、そしてクライマックスなど。このような要素があると視聴者はストーリーに入り込みやすく、記憶にも残りやすい。視聴者がそのモラルに従ってキャラクターたちと一緒に困難な意思決定をしていくように思わせる手法がアニメのストーリーテリングにはある。視聴者がキャラクターと同じ立場にあると思わせるような語り方をするのだ。

 

これが更なる愛着を生み出す。ストーリーテリングに関しては、顧客が主導となるようなアプローチをとるべきだ。製品やサービスの話のみでなく顧客を巻き込んだストーリーを語ろう。ブランドが顧客の抱える問題を解決していく道標となるような語り口を取る必要がある。 

 

2.真の目的は何か

 

 

どんなアニメにもベースには信念がある。物語の中では様々な感情が描かれるが、それはある一つの原則をもとに描かれており、物語はその原則を中心として展開されていく。例えば「NARUTO」では主人公の火影(里の長)になるという強い信念のもと物語が進んでいく。

 

同じことがブランドにも言える。ブランドにも信念が必要であり、それは製品や利益を生み出すというようなものではなく、ブランドの展開に関するものでなければならない。ブランドの信念は何かを突き詰めることが競合との差別化につながる。 

 

3.真の価値は何か

 

 

ブランドの真の価値は何かを理解することは非常に重要である。上述の「NARUTO」の例のように、主人公は火影になるための努力を惜しまない。そのために彼は決して諦めず、そのことが繰り返し彼自身の言葉で語られる。価値はどのように目的を達成するかという、ゴールまでの道のりである。例えば企業でいうと、次年度はその市場でトップ10に入るということが目的かもしれない。このように、目的を理解することが重要である。 

 

目的をどう達成するかが価値を決める。一般的に企業の価値と言えば、「誠実さ」とか「革新」といったものになりやすい。真にそのような価値を追い求めているからではなく、ただ単に聞こえがいいからという理由で。 

 

先ほどの例のように、トップ10に入るというゴールを達成するためには2つのやり方がある。努力し続けるという従来のやり方と、ルールにとらわれず急速な成長を遂げるために戦略を変えていくというやり方である。後者の場合、価値は「誠実さ」ではなく「勝利」となる。これは決して後ろめたさを感じる必要はなく、むしろ受け入れるべきである。ブランドの根底にある価値が何であれ、ターゲット層を取り込むためにそれを受容すべきだ。

 

アニメスタイルをブランディングに活用する方法を見てきた。アニメにはブランディングの世界に応用できる教えが多くある。アニメとその起源を学び、その文脈や年齢を問わず人を惹きつける理由を理解すれば、製品やサービスのブランディングに使える学びが多くあるだろう。

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