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デザイン思考で生理の悩みを解決!〜デザイナーとしてどう向き合うか〜

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本記事は、Improving the Menstrual experience using Design Thinking
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分5秒

冬の授業の時、教わったことを活かして現実の問題と向き合わねばならないUXのデザインに、私は参加しました。4人ずつのチームに分けられ、私のチームにはバックエンド開発者のMrudhvika、新人エンジニアのRitwik、プロジェクトマネージャーのRajeshがいました。アプリ画面のデザインやウェブサイトの制作は、新鮮で有意義なものでした。

 

私たちは、日常で直面する問題にまず向き合いました。Rajeshは通勤、私とRitwickは通学で普段利用する地下鉄で抱える悩みによって、意見は分かれました。

 

 

これらの課題は約90%、アプリやウェブサイトで解決されています。素晴らしい方法をメンターに伝えても、”あらまぁ!天才ね”と賞賛されるどころか、”解決方法はいいから、問題点についてもっと教えてほしい”と言われてしまうのです。そこで私たちは、気づかされました。

 

時間がかかると思っても、課題に向き合わなければならない。本当の問題が何か分かれば、きっと答えは自然に出てくる。

まずは課題の範囲を特定することから始めましょう。完璧な問題点を見つけ出すために、Mrudhvukaは私たちに向かって、生理中にタンポンをどのようにして使っていたかを話し始めました。生理についていかに無知であったかを思い知らされ、大変有意義な時間でした。このような機会がないからこそ、生理の話はタブーとされているのかもしれません。

 

知識の浅い方は、Mike LaVigneによるManly Guide to Menstruation(男性のための月経ガイド)を読むのをおすすめします。

 

研究

 

手始めに、‘タンポンの使用不可’について調査を開始しました。

 

今こそ、ユーザーも一緒になって問題に向き合う時です。ほとんどの女性は生理について話すことに抵抗があるため、これは非常に苦労しました。何かデータを集める方法はないか、必死に考えなくてはなりませんでした。

 

様々なタイプのユーザーからデータを収集するために、メンバー唯一の女性であるMrudhvikaがインタビューを行いました。アンケートを作り、私たちのGoogleネットワークでもフォームを配信しました。その結果、12〜55歳のユーザーからデータを集めることが出来ました。

 

ところが、この調査では大変興味深い事実が判明しました。私たちの予想に反し、問題は別のところにあったのです。’タンポンが使用出来ないこと’が主な原因ではなかったのです。生理期間中のナプキンの使用ではなく、その前後に使用することに大きな問題があったのです。

 

生理というのは通常28〜35日周期でやってきます。初日から数えて、約3〜5日間生理は続きます。女性はそのことを考慮して、ナプキンを使用しています。ですが、強いストレスや他の要因で、それが突然変わることもしばしばです。予期せぬ期間に突然やってくるのがその例です。

 

 

突然の生理に対してどのような工夫をしているか、というインタビュー結果をもとに、関連するものはマップ化してまとめてみました。そのあと、年代ごとに分類したのがこちらです。

 

 

このことから、年代の異なる女性たちがどのようにこの問題に向き合い、そして対処しているのかが分かります。

 

 

私たちは関連のあるリンクを見つけ、友人からタンポンを借りて突然の生理に対処している人が多いことも知りました。Googleフォームで集まった回答でも、同様の結果となっています。

 

 

 

フォームによる調査結果

 

World Health Organisation(WHO)によると、67%の女性は突然生理が来た時に友人や同僚、家族から生理用品を借りていることが判明しています。

 

定義

 

生理用品が必要になっている女性がこんなにもたくさんいることが分かりました。そこで、手段云々ではなくこの調査を活かすことにしました。既存の方法で、弱点を解決しようと試みたのです。

 

また、対象ユーザーを18〜30歳までに限定しました。そうすれば、さらに彼らの情報を集めることが出来ると思ったからです。

 

ウィークポイント

 

課題解決のためには、問題の特徴に踏み込む必要がありました。

 

余分にナプキンを持っているか聞くときは、とても恥ずかしいです。

 

大多数のユーザーは同じことを口にしていました。生理用品のことを話すには、ためらいがあるのです。

 

男性の前では話しづらいので、周囲を気にしなくてはいけません。

 

私たちは、この問題の原因を探ることにしました。

 

予測

 

そこでチーム内で集まり、テーブルを囲んだ話し合いが行われました。ランダムにアイデアを出し、声のトーンに注意しながらインタビューのテープ何度も聞き、ユーザーのことを理解しようとしました。

 

男性のいない、女性だけの世界を想像してみてください。女性は、タンポンの話題を出すのが恥ずかしいでしょうか?

 

このことから分かったのは、女性の不快感を招くのは、男性の生理に対する知識不足なのではないかということです。

 

1. 男性の無関心が問題である

 

少し振り返ってみましょう。もし突発的な生理の時にタンポンが使えないことが問題なのであれば、毎日ナプキンを使ってみたらどうなるでしょう?

 

これは大変興味深いですね。

 

2.ユーザーに毎日ナプキンを使うようお願いする

 

解決策

 

このウィークポイントを解決するために、まずはブレインストーミングを行います。そのために私たちは、アプリやウェブサイトの使用を禁止しました。

 

私たちのようなエンジニアはいつも複雑な答えを出しがちですが、アプリやポータルサイトが本当に必要でしょうか?思っていたよりも簡単な方法で解決する場合も時にはあります。

 

そこで、男性の無関心に対する対応策をいくつか考案しました。

 

カバンにバッジを付ける

 

私たちが絞りこんだ18〜30歳のユーザーは、大学生や社会人ばかりです。なので、バッジのデザインを思いつきました。生理用品を持っている人がこれを付けることで、タンポンが必要な人の役に立ちます。女性全員がこれを付けていたら、男性はびっくりするでしょう。男性陣の認知向上にも繋がりますし、女性にとっても便利です。

 

 

カバンの中の特別スペース

 

バッグ内に、生理用品用のスペースを作るのはいかがでしょう。センサーでナプキンがあるかどうかが分かります。無くなったら、アラームで知らせてくれます。生理周期を把握するためにアプリを使っている女性は多いので、そこに追加する機能としては使いやすいかと思います。

 

共用ナプキン

 

このアプリのコンセプトを思いついたのは私たちです。タンポン用のUberサービスです。余分にタンポンを持っている人がいるかどうかを知ることが出来ます。近くのユーザーにお願いすることが出来て、提供した人はポイント(WIP)を得られる仕組みです。

 

気づいたこと

 

当事者でない自分

 

どのプロジェクトも手際よく進行してきましたが、解決方法の模索にはある問題を抱えていました。今回初めて、自分が使うことのないものをデザインしたということです。憶測ではなく、ユーザーをきちんと納得させるものづくりの大変さを学ぶことが出来ました。

 

課題にのめり込む

 

いまだに覚えていますが、夜中の3時にMrudhvikaが電話をしてきて、同じような問題に直面しているとある女性のことをまくし立てたことがありました。それがきっかけで、この問題に本気で取り組むようになったのです。ユーザーとの繋がりは、私たちの行動に大きな意味を持っているということです。

 

単刀直入に質問しない

 

一番初め、答えを誘導するような質問フォームを設けたことで、私たちはそれを補足するのに苦労しました。Emilyの書いた、How To Ask User Experience Questionsに詳しく載っています。

 

固まったら、一旦離れてみる

 

ブレインストーミングの際に、アイデアをぶつけ、意見を交わし、その度にあらゆることを変更してきました。よく行き止まりになったものです。そこで、10段階戻っては自分たちを客観視し、本当に解決しようとしているものが何かを改めて見つめ直すようにしていました。そうやって、軌道修正をしてここまでやってきたのです。

 

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