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「分解者」って誰? 実はいつもお世話になっている9つの例

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本記事は、9 Best Examples of Decomposers You See In Everyday Life
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約6分31秒

「分解者」とは、生物の死骸や腐敗した生物の複雑な有機物を分解してエネルギーを得る生物のことです。

 

そう聞くと不快に感じるかもしれませんが、分解者は自然の汚れ仕事をしていのです。死んだ、あるいは死にかけている生物を排除し、そうしながら栄養分を土壌に放出しています。

 

つまり、分解者は栄養素を再利用して他の生物の生存を続けさせることにより、生態系の中で非常に重要な役割を果たしているのです。

 

通常、動物が死ぬと、ハイエナやハゲタカのようなスカベンジャー【腐肉を食う動物】が死体の大部分を食べます。それでも、彼らは死んだ動物を完全に分解するわけではありません。分解者が、死んだ動物(植物や排泄物を含む)を炭素や窒素などの化学物質に還元するのです。これらの化学物質は徐々に土壌の一部となり、それらの栄養素は生きている植物やそれを食べる動物によって消費されます。

 

分解者は大きく3種類に分けられます。

 

・菌類:化学物質を外部に放出して、別の方法では再利用されることのない有機物を分解する。死んだ動物や植物をより単純な物質に分解する。

 

・バクテリア【細菌】:死んだ物質に生息し、それらを分解して栄養分に変える微細な生物。その栄養分は最終的に土や水に戻され、他の生物がその栄養分を利用して成長・繁殖する。

 

・原生動物:単細胞の微小動物で、他の微生物や有機組織、残骸を食べる。捕食者として、微小菌類、バクテリア、単細胞藻類などを捕食する。

 

同じ方法で分解する生物はいませんが、どの生物も同じような順序で分解の段階を経ています。このプロセスをよりよく説明するために、様々な生態系に生息する分解者の代表的な例を紹介します。

9. キノコ

キノコの「子実体 」

 

種類:菌類

 

キノコは従属栄養生物であり、死んだ、あるいは腐敗した有機物を分解して自分の食用にします。

 

キノコの子実体は、ほとんどの人にとってなじみがあります。しかしそれは、菌糸と呼ばれる小さな根っこのような構造物が張り巡らされた、より大きな地下のネットワークのほんの一部に過ぎません。この大きな地下のネットワークは「菌糸体」と呼ばれます。

 

菌糸は土壌中に伸び、バイオマスを分解して栄養分を抽出します。これにより、植物がこれらの栄養素に接近しやすくなります。

 

多くのキノコは一晩で成長しますが、中にはゆっくりとした速度で成長し、胚葉を挿入して子実体に細胞組織を加えるものもあります。

8. 腐生菌

腐生菌/木材の分解者
画像提供:Wikimedia

 

種類:菌類

 

菌類の中でも最も一般的なもので、枯葉や腐葉土、木材などの有機物を食べます。酵素を分泌して、これらの複雑な物質をより単純な物質に分解します。

 

具体的には、腐生菌は物質をその複合体に分解します。

 

・脂質は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。
・タンパク質は、アミノ酸に分解されます。
・セルロースはグルコースに分解されます。
・デンプンは二糖類に分解されます。

 

他の生物は、これらの重要な栄養素を利用して成長し、繁殖します。

 

ほとんどの腐生菌は肉眼で見ることができないほど小さいのですが、中には木や土に生える茎状のキノコを作るものもあります。

7. 枯草菌

枯草菌の透過電子顕微鏡像

 

種類:バクテリア

 

枯草菌は、水や土壌に広く存在する棒状の嫌気性細菌【無酸素状態でも生育できる細菌】です。硬くて保護的な内胞を形成することができるため、過酷な環境条件にも耐えることができます。

 

枯草菌は主に2つの酵素を含んでいます。

 

・カタラーゼKatAおよびMrgA:過酸化水素を水と酸素に分解することを促進します。

・スーパーオキシドディスムターゼ:スーパーオキシド【超酸化物】を酸素と過酸化水素に分解することを促進します。

 

枯草菌の中には、植物や人間などの生物に有害な菌株もあります。たとえば、セレウス菌はしばしば缶詰の腐敗や短期間での食中毒を引き起こします。一方で、医学的に有用な抗生物質の生産にも利用されています。

6. シュードモナス・フルオレッセンス

白色光で可視化されたシュードモナス・フルオレッセンス【蛍光菌】

 

種類:バクテリア

 

シュードモナス・フルオレッセンスは棒状の細菌で、生育には酸素が必要ですが、特定の菌株は細胞呼吸の際に酸素の代わりに硝酸を使うことができます。25℃~30℃の温度で最もよく成長します。

 

これらのバクテリアは、土壌や水域によく見られます。死んだ有機物を分解する一方で、人間の免疫システムを損ない、珍しい病気を引き起こすこともできます。

 

この種のバクテリアは、目や耳、皮膚の疾患の治療に有用であることもわかっています。また、様々な医療用クリーム、軟膏、スプレーの製造にも使用されています。

5. カビ

ペトリ皿上のカビ

 

種類:ミクロ菌

 

カビには何千もの種類があって、植物や動物に寄生します。中には水生環境に生息するものもありますが、ほとんどのカビは生育に湿った環境を必要とします。

 

カビは加水分解酵素を分泌し、複雑な生体高分子(セルロースやデンプンなど)をより単純な物質に分解します。また、カビの中には、溶解酵素とともにシデロフォア【鉄と錯体を形成する化合物】やマイコトキシン【真菌から産生される毒素】を合成し、競合する微生物の生育を阻害するものもあります。

 

カビは微細な胞子(植物の種のようなもの)を生成して増殖します。この胞子は非常に小さいため、空気中を漂い、より遠くまで移動することができます。また、カビの中には、保存されている食品に付着して、食べられなくしたり、有毒にしたりするものもあります。

4. 酵母

ブドウに付着した酵母

 

種類:菌類

 

パンを焼いたり、飲み物を作ったりするときに酵母を使いますが、自然界では酵母は偉大な分解者として働いています。植物の分解に重要な役割を果たしており、加水分解酵素の生産者として積極的に参加しています。

 

酵母の種類は1,500以上が確認されています。酵母の多くは、樹皮や朽ち木、落ち葉、リンゴやモモ、ブドウなどの果物やベリー類の皮に付着します。また、昆虫や土壌に付着しているものもあります。

 

酵母は、酸素の有無にかかわらず生存することができます。酸素がない状態では発酵を行い、炭水化物(糖源)を二酸化炭素とアルコールに変化させます。酸素がある場合は好気的呼吸を行い、糖質を二酸化炭素と水に変えます。さらに、pHが中性から弱酸性の環境で最もよく成長します。

3. 原生動物

原生動物:主にバクテリアや可溶性有機物、他の原生動物、時には菌類を食べる単細胞生物

 

原生動物は、陸地や水域など、様々な場所に生息しています。ほとんどの原生動物は独立して生きていますが、宿主の中でライフサイクルを送っている原生動物もいます。そのライフサイクルのうち、餌を食べて成長している間の原生動物は「栄養体」と呼ばれます。

 

バクテリアのような小さな粒子状の餌を食べ、バクテリアの個体数を調整する役割を担っています。

 

原生動物が栄養体になると、窒素濃度の高いバクテリアを食べて、余分な窒素をアンモニウムという形で放出します。アンモニウムの大部分は他の生物に速やかに取り込まれ、一部は植物に利用されます。

 

このように原生動物は、植物や土壌生物が利用できるように栄養素を無機化するという重要な役割を担っているのです。

2. 好冷性細菌

種類:バクテリア

 

好冷性細菌は、マイナス20℃~15℃の低温下でも生育・繁殖することができる耐寒性のバクテリアです。深海や極地に多く生息しています。

 

また、氷点下で脂肪族および芳香族炭化水素を分解する能力を持った様々な自生微生物が発見されており、生分解プロセスにおいて重要な役割を果たしています。

 

また、土壌から分離された好冷性細菌が尿素を分解することを示す研究もあります。その独特な生物学的特性から、好冷性細菌は、酵素生産、医薬品、バイオレメディエーション【生物学的環境修復】などのバイオテクノロジー産業で活用することができます。

1. 中温性細菌

好気性中温性細菌
画像提供:ResearchGate

 

種類:バクテリア

 

中温性細菌は、温暖な環境で生育する小さな生物です。80℃の高温で生きることができる好熱性細菌とは異なり、中温性細菌は20℃~45℃の間で最もよく成長します。

 

堆肥化の段階によって、異なる種類の微生物が優勢になります。たとえば、初期の分解は可溶性物質を素早く分解する中温性細菌によって行われます。この分解過程で発生する熱は、堆肥の温度を急速に上昇させます。

 

温度が40℃以上になると、中温性細菌の働きは弱まり、次第に好熱性細菌などの他の微生物に置き換わっていきます。

 

中温性細菌は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品によく含まれます。ビールやワインの醸造時に含まれることもあります。また、これらの生物は人間の通常の体温(37℃)で増殖するため、人間の病原菌のほとんどは中温性細菌です。

よくある質問

分解者と屑食者の違いは何か?

屑食者(detritivore)と分解者(decomposer)という言葉は、同じ意味で使われがちですが、両者は大きく異なります。分解者は外部の生物学的または化学的プロセスによって直接栄養を吸収するのに対し、屑食者は死んだ有機物を摂取して内部で消化します。

 

分解者 屑食者
外部の化学的・生物学的プロセスにより、死骸や腐敗物から栄養分を吸収する 死んだ有機物を経口摂取して栄養とエネルギーを得る
例:菌類やバクテリア 例:ミミズ、ワラジムシ

 

なぜ分解者は健全な食物連鎖や生態系に不可欠なのか?

食物連鎖のすべてが食べられるわけではありません。ほとんどの動物や植物は、他の人の食べ物になる前に死んでしまいます。そこで役割を果たすのが分解者です。分解者は、廃棄された植物や動物、他の生物の廃棄物を分解します。

 

さらに重要なことは、分解者は生態系の一次生産者である植物や藻類に重要な栄養分を供給することです。分解者は、複雑な有機物を、水や二酸化炭素などの単純な化合物や、カルシウム、リン、窒素を含む化合物に変換します。これらの化合物は、土壌生物や植物によって消費され、さらに地上の動物によって消費されます。

 

分解者は、生態系におけるエネルギーの流れを維持するのに役立っていると言えるでしょう。

 

人間は分解物をどのように利用しているのか?

何世紀にもわたって、人間は分解者をうまく利用してきました。たとえば、酵母はパンやベーカリー製品の製造に広く利用されています。バクテリアは、チーズやヨーグルト、サワークリームなどの発酵に使われています。

 

また、特定の分解物を廃水処理施設で利用したり、バクテリアをバイオレメディエーションに利用したり、人為的に流出した化学物質などの環境被害を浄化する方法も見つかっています。

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