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アプリ上で優れたユーザーオンボーディングを体験できるUXをデザインする方法

本記事は、How to excel at designing a great user onboarding experience
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分22秒

私はインド、デリーで生まれ育ちました。デリーには素晴らしい遺産がたくさん残っていて、私はいつも心を奪われていました。ムガール帝国の遺跡、その壮大な歴史、帝国が築いた建築物など、その全てが私にとっては心躍るものでした。

 

常々、自分の国の豊かな歴史についてもっと掘り下げて学びたいと思っていたのですが、あまりに壮大なために、どのように学べば良いか分からずに戸惑っている自分がいました。まず私は歴史の授業を真面目に受けなかった自分を責めました。でも人と話しをするうちに他の人も自分と同じ悩みを持っていることに気づいたのです。

 

私が遺跡を訪れた時に私が体験したことをお話しします。私は遺跡の中の要塞へ続く、史実にも出てくるようなとても雰囲気のある小道を下って行きながらも、遺跡との結びつきというものをあまり強く感じませんでした。

 

現地で観光ガイドを雇ったのですが、話が横道に逸れたり、あまり必要のない情報をひっきりなしに話すばかりだったのです。客引きはいくら稼げるかということしか興味がないので、素晴らしい史実を客に話して聞かせようという気持ちは全く感じられなかったのです。

 

観光客は遺跡を楽しむために丸一日使って訪れているのに、ガイドはあまりに知識不足であり、思いやりがありません。私が遺跡を訪れてやりたかったことはただ1つ。あの壮大で輝かしい歴史にどっぷりと浸ることでした。それなのに私が遺跡で何をしたいかなど気にするガイドは一人もいませんでした。

 

ところが23前、再びデリーの有名な遺跡を訪れた時に、前回の経験は完全に覆されました。この時私はオーディオのガイダンスに従って遺跡を巡Tたのですが、全ての経験に心を揺さぶられました。遺跡の隅々までもが私に語りかけ、寂しげな歴史を私に話して聞かせてくれているように感じました。

 

私の好奇心も満たされ、同時にとても幸せな気待ちになりました。幸せだと感じたのは、私が抱いていたモヤモヤが取り払われて、このツアーのために費やした時間が価値のあるものになったからです。

 

私はオンボーディングのUXはこれに似ていると思っています。目的を持ってあなたのウェブサイトやアプリケーションにたどり着いたユーザーは、遺跡を訪れる観光客たちと同じです。ユーザーは彼らの生活の中で、何かを達成するためにあなたが提供するプロダクトを媒体として選んでいます。

 

それは登録者に一斉メールを送ることだったり、旅行のためのチケットを予約するためだったりと様々です。そのためオンボーディングのプロセスは、ユーザーが圧倒されたり、手に負えないと感じたりすることなく、いかに早く目的を達成できるかが理解できるようにユーザーをサポートするものでなければいけません。そういった経験はユーザーを喜ばせ、あなたの提供するプラットフォームの熱心なユーザーを増やすことにつながります。

 

オンボーディングで明確にすべきことは以下のものです。

 

・ユーザーにやってもらいたい具体的なステップ

・各ステップの手引きとユーザーが正しいアクションをするための手助け

 

ではオンボーディングをより良くするためにはどのようなデザインができるかについて考えてみたいと思います。

 

 

ユーザーが製品との結びつきを感じられるよう手助けするUX

人々がアプリケーションを使う本当の目的は、なにか問題を解決するためです。例えばソーシャルメディア上で人々は新しい友人を作り、旧友とつながり、自分の考えを共有したいと考えます。その喜びを得るためにアプリケーションを使います。どのようなプラットフォームでも言えることですが、オンボーディングのデザインをするとき、まず始めにユーザーとどのようなやり取りをするかを決めなければいけません。

 

例えば

・サインインしたいときに柔軟に対応しているか。

・Webとモバイルデバイスの両方から既存のクレデンシャルを使ってアクセスできるようになっているか。

・生年月日、年齢、旧姓、代替えのEメールアドレスなどの個人情報は本当に必要か。

・ユーザーのクレジットカード情報の入力は本当に必要か。

 

プラットフォームを初めて使う人が最初に思うことは、それがどのように機能するものなのか、何についてのものなのかということです。Twitterはランディングページでこの質問に答えました。

 

Twiterのオンボーディングで一番優れている点は、Eメールアドレスを入力した後は何も強制的にやらされるアクションがないという点です。どのステップにおいてもスキップを選択することができ、後からでも見直すことができるようになっています。

 

Twitterはなぜ使い始めに誰かをフォローするように勧めるのでしょう。それは誰かをフォローするとタイムラインにそのツイートが現れるからです。何に興味があるかについても尋ねられます。これはいわばユーザー自身がUXをパーソナライズできるようにするためです。

 

オンボーディングのUXは第一印象のようなものなので、骨折り損になるようなことをさせてしまっては失敗です。ここで重要なことはサインアップに成功したからといってコンバージョンには繋がらないという事です。アプリケーションの成功はユーザーに理解され、何度も戻って使ってもらえたときに確かなものになります。

 

良いUXでユーザーの信頼を勝ち取る

ある調査によると77%のユーザーがアプリをダウンロードして3日以内に使うのを止めてしまうそうです。もちろん責められるべきはオンボーディングのUXだけではありません。しかし優れたオンボーディングがコンバージョンやリテンションに繋がることは間違いありませんし、信頼を勝ち取るものでもあります。

 

ユーザーが個人情報の入力を安全に行えると感じた場合、アプリケーションを何度でも使ってくれる傾向があります。例えばFinTechのアプリは財政情報の機密をユーザーに質問し、それに合致しなければ機能する事はありません。こういった確認作業はアプリケーションをスムーズに機能させるために必要なものですが、安全性を詳細に説明した心地よいオンボーディングをデザインする事でユーザーにとって面倒すぎないものにする必要があります。

 

お金や個人情報の取り扱いが安全に行われているのだとユーザーに確信を得てもらうことが重要です。オンボーディングでは安全さとシンプルさの両方に重きを置くように心がけてください。とても有名なトレーディングのアプリケーション、Robinhoodがとても良い例です。このアプリケーションではなぜその情報が必要なのかということが詳細に書かれています。

 

 

例えば私たちが自国に入国する際、一定の情報を記入する必要がありますがそれは法に則ったものです。それと同様に、ソーシャルセキュリティーナンバーのような重要な情報がなぜそのアプリケーションに必要なのかという事についての情報を積極的に提供しましょう。

 

UXはユーザーの期待に沿うものでなければならない

どのユーザーにもアプリを使い始めた、またはダウンロードしたきっかけがあるはずです。友人から製品について良い評判を聞いた、またはマーケティングチームの努力が実ってユーザーの目を釘付けにしたといったところでしょうか。とにかくアプリをダウンロードしてもらった時点でユーザーに素晴らしいオンボーディングを提供するチャンスを得たということだと理解してくださう。そしてそれがユーザーの期待に答える、または期待を超える唯一のチャンスとも言えます。

 

ユーザーの期待の応えるためには、ユーザーのメンタルモデルを理解する必要があります。なぜアプリを使っているのか、アプリを使って何をしたいのか、類似のアプリを使っていたことがあるかといったことを考えることが重要です。ユーザーがプラットフォームに慣れていなければ、そこで使われる言語がわからなかったり、専門知識がない可能性もあります。

 

例えばDuolingoのような言語学習のアプリケーションにサインアップするときの目的はもちろん新しい言語を学ぶことです。DuolingoのオンボーディングのUXの優れた点は、実際の言語学習を始める前にレベルを査定するプレースメントテストを実施しているところです。こういった方法はユーザーを安心させますし、もしユーザーがある程度言語学習の経験があれば、そのレベルを再確認する作業にもなり得ます。

 

 

また、このアプリケーションでは無駄なサインアップを強要されることがありません。もしサインアップが必要なときでも、ユーザーの学習プロセスを保存するため、という明確な理由を明示しています。

 

 

最後に

数え切れないほど様々なアプリケーションがあることを考えると、それらと比較しながらより良いオンボーディングを設計するためのチェックリストを掘り下げて考えることは難しいと私は思います。問題を解決する方法がないのと同じように、ユーザーにオンボーディングを促す特効薬もありません。

 

オンボーディングは製品や地域に寄るものが大きく、様々なバックグラウンドやメンタルモデルを持つ人たちがアプリケーションを利用します。私たちが提供できる選択肢は、ユーザーを半信半疑にさせたままアプリケーションを彷徨わせるのか、柔軟で反応の早いUXでユーザーをもてなすのかのどちらかです。

 

実際にユーザーを巻き込むのも良い方法です。試作段階のオンボーディングをユーザーに実際に試してもらい、フィードバックをもらいます。本運用が開始されたら、そのデータをもとにさらに改善できるかどうかを分析します。こうすることでオンボーディングを別の視点から見ることができ、アプリケーションの成功に欠かせない要素にすることができます。

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