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パッケージ変更等での失敗例とともにブランドロゴのリデザインのあるべき考え方を解説する

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ロゴとブランドを単純化するのが一般的な最近のトレンドです。近年、様々な成功例が数多くあります。

その方法はいくつかのブランドではうまくいくかもしれませんが、他のブランドは同じトラップに陥ってブランドを特定できるものを取り除いたり、単に忘れられやすいものを作るだけに陥るリスクもあります。

 

トレンドに逆らうということはリスクのあることにあるかもしれません。

ここに、単純にトレンドに従うことが必ずしもベストではないことをご紹介しましょう。

 

 

「less is more」が適用されなかった例

トロピカーナは、2009年にブランドのリフレッシュを発表した後、北米のパッケージングデザインに大きな変化をもたらしました。一見、パッケージはかなり現代的に見えますが、ロゴはモダンなデザイン変更を受けて、それまでのすべての特徴を失っています。そして、トレードマークであるストローが刺さったフルーツは、オレンジジュースの入ったグラスという一般的なイメージに置き換えられました。

 

もはやトロピカーナ製品のようには見えず、消費者のブランド認知度もなくなっていました。突然の変更により売上が20%減少し、わずか数ヶ月で急速に元のパッケージとロゴに戻りました。

 

アメリカのライトビールCoors Lightは2015年にブランド変更を発表しましたが、これはおおむね成功しました。デザインやレイアウトは洗練され、すばらしかったにもかかわらず、色が薄くなっていたため、製品は目立たなくなりました。

単純化されたデザインと灰色のカラーパレットは、存在感の少ないブランドを作り出しました。

 

Juventus FCは盾と王冠、闘牛をデザインがそぎ落とし、黒と白の縞模様でJ字を描いたシンプルな紋章を作ることで、クラブの紋章とブランドを2017シーズンに向けてリブランドしました。

リブランドに関するファンの反応は二極化していました。実際のところ、かつてのロゴデザインは1905年以来じっくりとファンの間に浸透していたため、ロゴの更新は必要とされていなかったのです。

 

クラブ側としては、ニューヨークヤンキースのような、より決定的なアイデンティティを作り出すことが目標でした。それはスタイリッシュなデザインでしたが、結果としてクラブのレガシーが失われたとファンは感じたのです。

 

Instagramは2016年にロゴを大幅に更新し、賛否両論を生みました。古いブランドでは「Instagram」という名前と同義のレトロカメラがデザインに使用されていましたが、新しいロゴは簡略化されたカメラアイコンを取り入れました。

 

それはスマートフォン上の他のカメラアプリと区別しづらく、混乱するものだったかもしれませんが、グラデーションはアプリのアイコンをユニークに感じさせたでしょう。

 

もともと、レトロな画像加工フィルターで知られていたInstagramは、以来、数多くの機能を追加し、スキューモーフィズムのアプローチから離れることを選択しました。それは成功したアップデートでしたが、一方でかなり一般的なものでもありました。

 

 

「less is more」ではなくて「more is more」である例

近年で私の個人的に好きなリデザインの一つであるギネス・ロゴは、1862年からどんどんとシンプルさを極めていきました。新しいロゴには、メタリックなルックとパターンを含むディテールが注目を集めるハープを取り入れています。変更を重ねる一方、それは以前のロゴの形と比率を保持しており、認識可能で、時代を超越しています。

 

新しいロゴをはっきりと区別することは、細部まで注意を払うことでした。このロゴは英国のハープメーカーNiebisch&Treeと共同で設計されました。ギネスロゴが実際の生活のハープだったら、それはうまくいくでしょうし、調和していることさえあります。

 

Zendeskは退屈なロゴと過度に明るい仏のマスコットから離れ、より抽象的なアプローチに向かいました。新しいZアイコンは、企業サービスの様々なカテゴリーを表した抽象的な図形で構成されています。

このアプローチは、アイコンがかなり抽象的であるために、見る人の頭をかなり迷わせました。シリコンバレーの多くの企業が無難な小文字のテキストベースのロゴを採用している世界では、このリデザインは賢明とはいえないでしょう。

 

しかし、ポップな新しいデザインは面白く、リスキーな変更ではあったかもしれませんが、成功してるといえるのではないでしょうか。

 

 

「レトロ」化で成功した例

古い外観を復活させた良い例は、3Dで魅力が倍増したNatwestの新しいロゴでしょう。 1969年に取り除かれた3次元キューブと陰影を再統合することで、優れたリデザインを行っています。

 

新しいブランドは、カラフルで可愛らしい3Dイラストレーションとタイポグラフィによって補完されています。銀行のためのブランドとしては、少しポップすぎる気もしますが、過去の印象を上手く使い、まったく新しいスタイルで前進します。全体的なアプローチは、他の国の銀行とは非常に異なっていると感じさせています。

 

一方、The Co-opは70年代のロゴを再度利用し、新しいことは何もしていません。シンプルなデザインと製品のパッケージングは、クリーンでチェーンに強いアイデンティティを与えるのに役立ちます。

 

 

 

トレンドに歯向かったり、過去のデザインへ戻ることはリスキーな方法に思えるかもしれません。しかし、後半でご紹介したようなリブランドは、新しいアプローチがブランドをより魅力的な存在にし、消費者の心を掴むのを助けます。

 

 

※本記事はLess isn’t always more – Examples of how to update your brandを翻訳・再構成したものです。

 

 

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