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知られざる望遠鏡の世界ー8つの天体観測装置

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本記事は、8 Different Types of Telescopes | Explained
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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望遠鏡は、ガンマ線から可視光線を含む低周波の電波まで、電磁スペクトルの様々な周波数で天体を観測し、研究することができる観測機器です。望遠鏡は、検出する光の波長と周波数に基づいてさまざまなタイプに分類されますが、この提議について深く掘り下げる前に、望遠鏡の歴史を簡単に見てみましょう。

 

歴史上最も初期に知られている望遠鏡は、1600年初頭にオランダの眼鏡職人ハンス・リッペルシーによって発明されたと考えられています。しかし、「望遠鏡」という名前は1611年まで存在せず、ギリシャの数学者ジョバンニ・デミシアーニによって考案されました。

 

1610年までには、イタリアの博学者ガリレオ・ガリレイが独自の望遠鏡の改良版を開発し、後にガリレオ衛星の4つを発見しました。その後1660年代後半頃、アイザック・ニュートンが史上初の反射望遠鏡を設計し、これは現在ニュートン式望遠鏡として知られています。

次の300年ほどの間、望遠鏡は可視光線を運用したものだけで、情報量に限りがありました。これらの望遠鏡は一般的に光学望遠鏡と呼ばれています。異なる電磁波を運用した望遠鏡が開発されたのは1900年中頃でした。

 

全ての望遠鏡が地球上にあるわけではありません。そうです。実際多くの望遠鏡が宇宙で地球の周りを周回しています。これらの宇宙望遠鏡は、地球の大気によって部分的あるは完全に遮断される光の波長を集めます。

 

地上望遠鏡

①光学望遠鏡

光学望遠鏡は、電磁スペクトルの可視光線(人間の目で見ることができる光)から光を集めます。この望遠鏡は世界で最も古く、最も一般的に使用されている望遠鏡です。おそらく光学望遠鏡の最も重要な特徴は、人間の目よりはるかに高いその集光力です。

 

光学望遠鏡は大きく分けて、屈折望遠鏡、反射望遠鏡、反射屈折光学デザインの3つのカテゴリーに分類できます。それぞれに長所と短所があり、天文学での用途は異なります。

屈折望遠鏡

 

屈折望遠鏡は、レンズ(ミラーの代わりに)を使用して画像を形成するタイプの光学望遠鏡です。すべての屈折望遠鏡は、人間の目よりも多くの光を集めることができるある種の接眼レンズも備えています。

 

設計に基づいて屈折望遠鏡は、ガリレオ式望遠鏡、ケプラー式望遠鏡、アプロマート、アポクロマートの4つのタイプに分類できます。

 

今日、世界中で運用されている屈折望遠鏡はごくわずかですが、かつては広く普及していました。19世紀後半のレンズ製造技術の進化によって、屈折望遠鏡は天文観測でスタンダードになりました。

反射望遠鏡

反射望遠鏡は、単一のミラーや場合によっては複数のミラーを使用して画像を形成します。史上初の機能的な反射望遠鏡は、かつての「欠陥のある」屈折望遠鏡に代わるものとして、1668年にアイザック・ニュートンによって発明されました。

 

それでも「完璧な」画像を生成することはできませんが、反射望遠鏡はその物理的なメリットから、ほぼすべての研究用望遠鏡に使用されています。

 

屈折望遠鏡と同じように、反射望遠鏡は設計に基づき大きく分けてグレゴリー式、ニューロン式、カセグレインの3つのカテゴリーに分類できます。いくつかのサブタイプと特殊機能も存在しています。

反射屈折望遠鏡

3つ目のあまり知られていない光学望遠鏡は反射屈折望遠鏡です。屈折望遠鏡と反射望遠鏡の要素を組み合わせた、ハイブリッドな光学システムです。このような光学システムは一般的に車のヘッドライトに使用されている一方で、確かに望遠鏡と天文学カメラにもこのシステムを使用しています。

 

反射屈折望遠鏡は、より拡大して見ることで障害が補正されるなど、他の望遠鏡タイプよりも幾つかの利点があります。また、より小型で生産も簡単です。反射屈折望遠鏡の一例として、カセングレン式望遠鏡、マクストフカセグレン式望遠鏡、シュミット式カメラがあります。

 

②電波望遠鏡

電波望遠鏡は、天体を無線周波数で分析します。言い換えると、遠くの天体からの電波信号を検出します。おそらく電波望遠鏡の最も重要な部分はパラボラアンテナとしても知られているアンテナ(皿)にあります。

 

ほとんどの天体から受信する電波信号は弱いため、電波望遠鏡は、天文学者が研究を行うのに十分なデータを集めるために大きなアンテナが必要です。場合によっては、複数の電波望遠鏡を互いに電子的にリンクさせ、検索範囲を大幅に拡大させます(天文干渉計)。

 

ほとんどの無線周波数は地球の大気を通過できるため、宇宙電波望遠鏡は必要ありません。しかし、地上の電波望遠鏡の助けになるかもしれません。

 

現在電波望遠鏡で使用されている周波数の一例は次の通りです。

チャネル37
21cm線
The Waterhole
23 GHz, 33 GHz, 41 GHz, 61 GHz, 94 GHz, 1406 MHz, and 430 MHz

 

これらの周波数の商用利用は、電波天文学を行うために多くの国で禁止されています。

 

天文干渉計

天文干渉計法では、広い領域で複数のアンテナによって受信された無線信号を組み合わせることにより全体的な解像度を最大化させます。この手法は1946に導入されました。

 

③太陽望遠鏡

以前は太陽写真機として知られていた太陽望遠鏡は、近赤外線と紫外線の波長で太陽を観測できるように、特別に設計されています。他のほとんどのタイプとは異なり、太陽望遠鏡は日中にのみ動作し、通常背の高い白い建物の上に設置されています。

 

アリゾナ州(米国)にあるマクマスピアス太陽望遠鏡は、このタイプの最大の望遠鏡です。ダッチ・オープン・テレスコープやダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡もその良い例です。

 

宇宙望遠鏡

すべては1920年代初期に始まります。物理学者のヘルマン・オーベルト、コンスタンチン・ツィオルコフスキー、ロバート・ゴダードの3人の宇宙工学の創設者が、ロケットで地球の軌道に送ることのできる宇宙望遠鏡のアイデアについて考えました。これが新しい望遠鏡時代の始まりでした。

 

そして1946年、プリンストン大学の理論天体物理学者ライマン・スピッツァーはそのような観測機器の利点と、宇宙望遠鏡よる観測がどう地球の大気の乱れを完全に排除するかを提案しました。

 

宇宙望遠鏡は天体を観測し、また地球の大気圏外から他の研究を行う科学機器です。

 

地上望遠鏡とは異なり、宇宙望遠鏡は大気の乱れや放射の歪みがないため、より正確な観測が可能です。

 

以下は、様々なタイプの宇宙望遠鏡です。

 

④赤外線望遠鏡

赤外線天文学は現代の天文物理学の重要な分野です。ほとんどの赤外線放射は地球の大気によって遮断されるため(比較的短い波長で通過できる)、多くの赤外線望遠鏡は宇宙望遠鏡です。

 

赤外線望遠鏡は、宇宙の塵多い領域にある遠く離れた天体を検出します。また、宇宙の初期状態を研究する上において重要な役割を果たします。しかしながら、他の多くの波長とは異なり、すべての高温の物体が赤外線を放射しているため、赤外線周波数での観測は少し注意が必要です。

 

その問題に対処するため、赤外線望遠鏡は、極低温(マイナス150℃未満)に常に保たれ、個体検知器と組み合わされた特殊カメラが搭載されています。

 

NASAの伝統的なスピッツァー宇宙望遠鏡は、これまでで最も重要な赤外線宇宙望遠鏡の1つです。

 

⑤紫外線望遠鏡

私たちの地球の大気は、地球に入ってくるほとんどの有害な放射線を遮断します。これは紫外線を含みます。この理由から、紫外線波長の放射線は宇宙からでしか観測できません。

 

紫外線天文学により、研究者たちは遠くの銀河をより綿密に研究することができます。多くの星は近赤外線や可視光線を放出するため、紫外線で見た場合、それらは重要ではないように見えます。進化の初期あるいは後期のいずれかの状態にあり、はるかに高温である星だけが見ることができます。実際のところ、すべての温熱の天体は紫外線を放射しています。

注目すべき紫外線望遠鏡

UVスペクトルを観測することができる最初の宇宙望遠鏡は、1972年にアポロ16号のミッションによって月面に配備された遠紫外線カメラ/スペクトログラフでした。

NASAの遠紫外線分光探査機(フューズ)やガンマ線バースト観測衛星スウィフトは、紫外線望遠鏡の主な例です。

 

⑥X線望遠鏡

X線望遠鏡は、X線周波数ではるか遠く離れた物体を研究できるように設計されています。紫外線のように、X線の周波数は地球の大気によって遮断されるため宇宙望遠鏡でしか調べることができません。

 

X線望遠鏡の重要な構成要素は、放射線を収集して特殊な検出器に投影するミラー(集束またはコリメート)にあります。集光ミラーを備えたX線望遠鏡は、長い焦点を合わせる必要があります。つまりミラーは検出器から数メートル離れている必要があります。

注目すべき宇宙X線望遠鏡

1960年代以降、およそ50台のX線望遠鏡が宇宙に打ち上げられました。最初の主要なX線衛星であるウフルは、はくちょう座X-1やその他の主なX線源について広範な研究を行いました。1999年に打ち上げられたNASAのチャンドラX線観測衛星はX線天文学の分野において画期的でした。

チャンドラは、打ち上げ前は他のどの望遠鏡よりも弱いX線に対して100倍も敏感です。これは、ミラーの角度分解能が高いためにのみ可能でした。他の注目すべきX線観測衛星はNuSTAR(Nuclear Spectroscopic Telescope Array)と日本のひとみ衛星です。

 

⑦マイクロ波望遠鏡

X線や紫外線放射と同様に、地球の大気はマイクロ波の大部分を吸収するため、天文学者は研究のために宇宙にあるマイクロ波観測所と望遠鏡に頼らなければなりません。

 

宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙で最も古い電磁放射であり、ビッグバンの残照です。一般的に初期宇宙論を研究するために使用されますが、シンクロトン放射やその他の現象も観測することができます。

注目すべき宇宙マイクロ波望遠鏡

NASAのWMAP(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe)とESAのプランク衛星に搭載された望遠鏡は、恐らく現在運用されている唯一の宇宙マイクロ波望遠鏡です。その他の唯一の主なマイクロ波望遠鏡は、1993年にオフラインになった宇宙背景放射探知機(COBE)に搭載されていました。

 

⑧ガンマ線望遠鏡

 

 

ガンマ線は電磁放射の最も動的な形態です。低エネルギーガンマ線(MeV帯域)は太陽フレアによって作り出されますが、高エネルギーガンマ線(GeV帯域)は、太陽系外の超高輝度星爆発などの極端な出来事によって生成されます。よってガンマ線はさまざまな銀河系の研究にとって重要です。

 

しかしながら、X線波よりもはるかに観測するのが困難です。実際、これまでに特殊なガンマ線望遠鏡は存在していません。代わりに、天文学者は二次的な手段を利用して、空のガンマ線束、つまりチェレンコフ放射を検出します。

 

地球の大気はガンマ線の障壁として機能しますが、多くの場合、HESS、HAWC、VERITASなどの複数の地上観測所から観測できます。

注目すべきガンマ線望遠鏡

現在、ガンマ線周波数を観測している宇宙望遠鏡は5台のみです。2004年に打ち上げられたNASAのスウィフト衛星は宇宙全体からの不思議なガンマ線バーストを検出しました。別のNASA天文台のフェルミガンマ線宇宙望遠鏡は、パルサーやブラックホールからの高エネルギーを観測するために、特殊設計がされています。

 

多くの宇宙衛星が特定のある波長を観測するだけですが、電磁スペクトルの複数の領域から同時に情報を集めることができる多波長域の望遠鏡も存在します。ハッブル宇宙望遠鏡はそのような望遠鏡の例です。近赤外線、可視光線、紫外線の周波数を観測することができます。

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