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ライバルの優れたUXデザインを分析して、独自のデザイン戦略やフレームワークにアイデアを活かす方法

本記事は、Why well-designed competitive analysis leads to better concepts.
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約4分43秒

革新的なサービスを生み出すには、マーケットの定義を覆すような何か’ギャップ’を生み出す力が必要です。ライバルをうまく利用すれば、アイデアの可能性は広がるかもしれませんー目的を常に見失わなければ。

 

日々新しいアイデアが生まれていることを考えてみてください。あなたと同じ考えや、似ていることを誰かが思いつく可能性だって十分あります。ライバルの行動を分析し、マーケットでの評価や新しいコンセプトを早く手にする方が良いでしょう。

 

本物を見抜く力というのは、正しく利用すればとても有効な手段になります。ドキュメントによるアプローチ、フレームワーク、その他最適な方法はたくさんあっても、実際問題なぜそれをするのか目的がはっきりしていない限り、便利とは言えないでしょう。

 

今回の記事では、異なるタイプのライバルの分析について、特徴や実績を交えて述べたいと思います。我々の独自プロジェクトの一部を参考にしているので、とても有意義な内容になるでしょう。

 

手段を決めるのは目的である

 

ライバルを分析する方法はいくらでもあるので、デザインプロセスの違いに応じて使い分ける方が良さそうです。サービスやデザイン戦略を決める情報収集のために行うので、大抵いつも同じ内容になりますが。

 

どのような特徴の違いを見つけ、そこからメトリクスを導き出すか

 

例えば、UXに特化したライバル企業であれば、自分たちのサービスで解決しようとしたユーザーの問題点に対し、どのような革新的なアイデアが提案されているか気になるでしょう。

 

サービスのポジショニングを行う際、ライバル企業の説明やビジュアルに目が行くはずです。例えば、語彙力、共通語、提案内容、色、タイポグラフィ、画像などすべての関連する項目です。このようにして、同じ業界の中で自社サービスがどのような価値を持つことが出来るかの位置付けを行うことが出来るのです。

 

 

目的に応じて作成してきた数々のフレームワークの例

 

プロジェクトの初期段階では、マーケットでの目的はしっかりしています。そこで、ギャップを探すための分析、つまり実在する/しないに関わらずニーズやチャンスを調査するのです。Opportunity mappingがこの段階でよく使われ、これらのギャップをはっきり明確に可視化するのに役立ちます。

 

このプロセスでは、次の2つのことが得られます。

 

・継続的な革新のチャンス:解決しようとしている問題を、すでに特定しているサービスが存在するとします。その場合、マーケットに新たに参入する必要があるか否かを確認する必要があります。違う方法で解決出来るのであれば、クラウド上にはチャンスがたくさん転がっています。例えば、Uberはすでに大きな存在となっていますが、違う方法を試みるサービスも今後登場するでしょう。シェアライドに特化したVia Van、黒タクシーのMyTaxi、空港サービスのKabbee、中国マーケットに着目したDidi Chuxingなどがその例です。

 

・突発的な革新のチャンス:誰も提案していない、独自のサービスを提供することも可能です。この場合、カギとなるのはなぜ?という問いかけです。明らかなギャップがあるのかどうか。今までそのサービスがなかったのは何故か?別の分野で似たようなニーズがあれば、ユーザーを変えて参考にしたいと思うかもしれませんね。それなら、調査する価値はありそうです。新しいサービスを生む必要があるかどうか、最終的に実感出来るでしょう。

 

実際何を意味しているのか?

 

最近の例をご説明します。今年度の前半、我々はファッション業界の浪費問題に向き合うことに決めました。調査の後、不要になった洋服を提供し、有料会員は中古の服を受け取ることが出来るというアイデアを思いつきました。会員費用の一部は、慈善事業に当てられるという仕組みです。

 

我々の場合、このサービス全体を担う者が特定出来なかったので、ライバル調査を行いました。

 

似たような問題を取り扱う団体や企業を、リスト化したのです。

 

 

ライバル調査の前にまとめた様々なグループの全体図

 

それぞれに、次のような基準を設けてあります。

 

・計画―何が問題で、それに対しどのように向き合っているか?この場合、ライバルの行動はマップ化しませんが、自分たちとの違いだけは明確にしておく必要があります。そうすれば、コンテクストの最新状況を更新することが出来ます。

 

・提案―どんな言葉で、何を売るか?その細部が肝心なので、可能な限り詳細は多く集めておいた方が良いでしょう。例えば洋服レンタルの場合、誰に向けて(男性、女性、子供)、どんなものが可能で(衣類全般または子供服、季節者、Tシャツなどの限定アイテム)、一度に何枚借りられるのか、なんでも選べるのか、気に入ったものを購入したり取り置きしたり出来るか、などを考慮する必要があります。

 

・ビジネスモデルーそのサービスにはどのような金銭取引が必要か?ライバル企業を分析し、商業フローを参考にすれば、新しい方法も浮かぶかもしれません。

 

・サービスの強みーこれは、ユーザーにサービスを気に入ってもらえるかどうかということです。オンラインの小売業者であれば、無料配達/無料返送にあたります。実店舗であれば、返却期限の延長などが挙げられるでしょう。

 

・サービスの弱みー見逃している点や、そのサービスが不利な点がないかどうか?質問事項/不明点は何があるか?我々の場合も同様で、“洋服が着古されていて、普通のサイトで見かけるよりも写真が下手くそに見える”点があります。

 

これらの気づきをフォーマットにまとめ、構造を作りました。スプレッドシートを使えば簡単ですが、よりビジュアル的なものを作成したければ、オリジナルの’キャンバス’を作ってみてください。

 

 

各企業を調査して作成したキャンバスの例

 

結局のところ、適切なフォーマットやフレームを選んで解決策に特化出来るかどうかがカギとなります。

 

気づいたことを話し合い、決定へと導く

 

たまに、この手の分析で途轍もない情報量が得られる場合もあります。それを活かし、調査結果のポイントがはっきりする場合もあるので、幅広いチームでコミュニケーションを取ることをおすすめします。

 

結果を統合して図式化すれば、必要な部分が可視化できて分かりやすいでしょう。

 

私たちが’継続的なファッション’プロジェクトで取り入れた図式化は、蜘蛛の巣構造です。イレギュラーなデータ形式である、業界の異なる企業を比較するのに大変便利です。サービスのキーポイントを予測し、重要な要素の軸に対応してこの蜘蛛の巣構造のダイアグラムに当て込みます。

 

 

我々が調査した企業のうち、これらの基準に合う企業は高く評価しました。ライバル企業の利点のみならず、他の企業が似たような問題にどのように対応しているかもここから読み取ることが可能です。ある意味、我々のサービスに必要なことが見つかるかもしれません。

 

どの方法であっても、調査の目的の核(プロセスに対する’なぜ?’)となるデータに着目し、簡潔で効率の良い答えが見出せるでしょう。

 

調節するまでのプロセス

 

このプロセスを踏まえ、自分のアイデアを実行するかどうか、またその方法が見えてきたことでしょう。追求するに値するギャップがあるかどうか分かったら、次のステップ(マーケットのニーズを知るための顧客調査、アイデアを商業的に継続させるためのビジネスモデル)へと進みましょう。

 

すべてのケースはそれぞれ異なるので、デザインに時間をかけてアイデアや手段をしっかりと計画し、本当に価値のあるデザインプロセスにじっくり取り組むことを忘れないでください。

 

デザイナーの立場としては、ライバルの分析は自分のアイデアを磨くツールのひとつだと感じます。顧客調査を行えばユーザーのニーズも分かり、ライバルがどのようなサービスを仕掛けているのか、またどんな機能があればより満足度がアップするのかを知ることが可能です。

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