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【ウェブデザイナー必見!】契約外の仕事を依頼されてしまった際の対処法

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本記事は、Handling Scope Creep in Web Design
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分0秒

時間とエネルギーを割きプロジェクトに集中していたら、最終的に当初聞いていた内容を大きく上回る責任を負わされるはめになったという経験はありませんか?「これは私が契約したものじゃない」、「こうなると初めからわかっていれば・・・」と心の中で思いますよね。

 

これは英語ではスコープクリープ(プロジェクトが進行するにつれて作業対象範囲が管理されずに少しずつ肥大化すること)と呼ばれるもの、私生活であろうとビジネスであろうと、誰もが何らかの機会に犠牲になるものです。

 

どんなビジネスにおいてもスコープクリープは仕方ないものとされますが、ウェブデザイン分野においてこれが起こると、ストレスになり時間もお金もかかります。解決策としてはまず、起こりうるスコープクリープの状況について認識し、注意する方法を学んでください。クライアントとのやり取りをもっとしっかり行うこと、ウェブデザインのプロジェクトを順調にすすめていくこと、そうすることで逆に、新しいビジネスチャンスを得ることもできるかもしれません。

 

スコープクリープとは何か?

 

スコープクリープは仕事においても私生活においても適用されるプロジェクト管理の用語です。プロジェクトの規模が大きくなりすぎたり、当初のゴールに近づいたころに徐々に作業範囲が増えたりしてしまうことです。ミッション・クリープやリクアイアメント・クリープと呼ばれることもあります。

 

ウェブデザインにおけるスコープクリープの特徴

スコープクリープには仕事内容やプロジェクトの内容によって様々なパターンがあります。クライアントは同僚から教わったり、他のウェブサイトを見たときに、当初の契約内容に追加のサービスを求めてきたりします。例えば下記のような項目でスコープクリープが発生することが考えられます。

・サイトのページごとの写真

・無制限のスライドショー

・アクセスカウントのページ

・ウェブのコピーと内容

・追加のページ

・ブログサービス

・SNSの設定と管理

・定期的な更新

・SEOサービス

 

これらは多くのクライアントが、デザインやウェブサイトのデザインのやり直しを依頼した際に、サービスに含まれていると思ってしまう可能性のある内容です。これらの機能やサービスは確かに提供できるものですが、プロジェクトが進行している最中に気軽に提供しないよう十分に注意してください。

 

代わりに、クライアントと前もってひとつひとつよく話し合ってください。もし、クライアントがこれらのサービスを望むなら、契約書もしくはプロジェクトの同意書に記載するようにしてください。きちんと詳しく記載することが大切です。たとえば、もし定期更新を行う場合、「定期」というのはどのくらいの期間を指すのか明記する必要があります。最も重要なのは、見積書に1つずつのサービスを記載し、きちんと請求することです。

 

原因

ビジネスやプロジェクト上では様々な形でスコープクリープが発生しますが、以下の3つの原因がウェブデザインに限らずあらゆる分野でよく起るものです。

 

1.デザイナーとクライアントでのコミュニケーション不足

クライアントは単純にどんなサービスがあるのか理解していないために、何をしてほしいのかはっきりと伝えることができない傾向があります。質問形式でコミュニケーションをとり、クライアントの要望や優先順位、予算、最終的にどんな状態にしたいのかについてはっきりとさせましょう。また、ポートフォリオ(あるいは過去にデザインしたいくつかのサイト)や料金表を見せたり、単純なデザインの場合と複雑なもののでは、それぞれどのくらいの時間がかかるのか伝えたりすることで、顧客自身に何を求めているのか認識してもらいましょう。

 

2.プロジェクト完了までのスケジューリング管理不足

スコープクリープはスケジュール通りに進んでないプロジェクトを悪化させる可能性があります。予定より時間がかかったりリソースが必要になったりしてしまうためです。いつ何が誰によって終わっているべきかを正確に押さえておくことで、デザイナー、クライアント双方を安心させることができます。

 

3.詳細な契約や同意書を締結できていない

書面の契約書や同意書に何も記載されていない場合、クライアントは簡単に追加の要望を出せてしまいます。もし詳細な記述が契約書に載っていれば、デザイナーにとっては追加の費用を請求しやすくなります。

 

ウェブデザインにおけるスコープクリープの影響

スコープクリープは多くのマイナスな結果を引き起こします。デザイナーの仕事量を増やしますし、仕事の質を下げてしまいます。追加依頼があった場合には、他のクライアントからの仕事ができなくなってしまう可能性もありますし、下請け業者に追加の賃金を支払う必要が出てくるかもしれません。場合によっては、すでに終わっている仕事に戻らなくてはいけないこともあります。

 

デザイナーによって発生したものでない限り、スコープクリープは、仕事は増やすが報酬は増えないということであり、収益を下げてしまいます。また、プロジェクトの締め切りに間に合わせることも難しくなりますし、このようなストレスのせいでクライアントとの関係やチームのメンバーとの関係が悪くなるかもしれません。最悪のパターンでは、プロジェクト自体が完了せずに失敗することもあり得ます。

 

スコープクリープの防ぎ方

プロジェクトのあらゆる段階においてしっかりとコミュニケーションをとること、スケジュールを立て、管理することでウェブデザインプロジェクトにおけるスコープクリープの悪い影響を多いに軽減させることが可能です。

 

・プロジェクトが実際に始まる前にクライアントとしっかりとした見積もりを出してください。成果物がどんなものになるか、どのようにプロジェクトを進行していくか、また費用に関する調整は作業開始前にしっかりと決めておくべきです。

・契約内容はなるべく詳細に、書面の契約書もしくは同意書に残しておくようにしましょう。項目にはデザイン、開発、ページ数、改訂箇所の数、すべてのウェブコピーもしくはグラフィックデザイン作品を記載してください。

・プロジェクトの完了日を正確に決めて、同意をとっておきましょう。これはクライアントが追加の作業を依頼してきた場合に参照するために有効です。特にタイトなスケジュールの案件や、新しい事業や新しいデザインのウェブサイトの発表日が公表されている場合にとても重要です。

・作業完了までのスケジューリングを行い、担当者を配置しましょう。PERTチャートやWork Breakdown Structureを使用するといいでしょう。PERTチャートはもともと1950年代にアメリカ海軍で作られ、大規模なプロジェクトを扱うために使用されました。Work Breakdown Structureのチャートフォーマットはプロジェクトの仕事や成果物の概要を有効にまとめられます。どちらもプロジェクトを視覚的に表示できるため、どの作業が終了したかを一目で確認することができます。

・スコープクリープをあらかじめ予想しておきましょう。最初からプロジェクトに多少の変更が生じることを予定に入れておいてください。費用とスケジュール両方とも考慮しておくべきです。とはいえ、わずかな変更でも塵が積もるととても大変な思いをすることになる可能性があるので、十分に注意してください。

 

スコープクリープ?ビジネスチャンス?

スコープクリープは必ずしも悪いものとは限りません。プロジェクトの範囲を広げることは仕事量が増えるということですが、ビジネスチャンスであるとも言えます。何度も言いますが、クライアントとしっかりとコミュニケーションをとってください。クライアントのリクエストにこたえることが可能かきちんと伝えてください。また、そのリクエストにこたえるには追加の費用や納期の延長が必要になるかもしれないことをきちんと理解してもらってください。

 

返答する際には、「すばらしい案ですね。ぜひ対応させていただきたいです。詳細をいただければ、見積もりや納期の調整を行いますので、ご連絡お待ちしております」というように、好意的な調子でいる方が良いでしょう。特に小規模のデザインショップを経営されている方は注意してほしいのですが、他のクライアントやプロジェクトに影響があるかもしれないという事実は忘れないようにしてください。

 

また、過去のプロジェクトの見直しを行ってみることをおすすめします。クライアントがもとの契約の一部であったかのように、すでに終わった案件に対してリクエストを送ってきたりしていませんでしたか?もしそうなら、納期や収益にどのような影響がありましたか?典型的なスコープクリープのパターンに慣れてしまえば、簡単に対処できるようになります。そして、ビジネスチャンスに変えたり、全く対応しない方法を取れるようになります。

 

なぜプロジェクトが失敗するのか他の要因が気になる方はこちらをご確認ください。

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