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ひとつ上を行くUXデザイナーになるためには?UXデザイナーとしてビジネスと製品戦略を理解する

本記事は、Be your best in 2019 — Calling out all Product, UI/UX Designers!
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約8分1秒

この記事ではUXUIデザイナー、デジタルデザイナー、プロダクトデザイナーを総称して「UXデザイナー」と表記しています。

 

 

UXデザインはインターネットが普及する以前とは位置付けが変わり、UXデザイナーが職業として肩書きがつき始めたのはごく最近のことです。私がこの世界で仕事を始めたのはiPhoneが発売されてからほんの数年がたったころでUXというものが意識され始めたばかりでした。

 

 

もちろんUXの仕事は少なかったですし、「ニッチでなんだかかっこいい仕事」といったイメージでした。とはいえ私の両親はいまだに私が何をしているか分かってはいないのですけど…。まぁその時UXがどんな位置づけだったのかという事は分かっていただけると思います。

 

 

デザインやテクノロジーはすごいスピードで発展している分野ですから、多くの人たちが違う分野からこのUXという分野に移ってくるのも納得です。経済学の学士号を持った人がグラフィックデザインを仕事にしていて驚いたこともありました。

 

 

スケッチアプリ、テンプレート、UIキット、簡単に始められるデザインのシステムといった素晴らしいプラットフォームを使えば、簡単にこの分野に飛び込むことができます。ですから私たち自身がこの分野の天才である必要がないのです。

 

 

UpworkFiverrといったサイトと同様、UXはよりコモディティ化しています。たくさんの優れたアプリが存在しますが、ほとんどのものが同じ様式で学習しやすくなっていますよね。でもこれに関してはちゃんと解決策があります。

競争が激しくなるのは悪いことではありません。むしろこの分野がいかに素晴らしいかということが分かります。しかし他のデザイナーより際立つためには、あなた自身が多様化してスキルセットを広げる努力が必要です。

 

 

すごいコーディングスキルと最高のデザインスキルというキラーコンボを持っている人たちを見ると、私自身その人たちを妬ましくさえ思うことがあります。しかしコーディングがあなたの専門でなくてもスキルセットを広げ、次のレベルに進む別の方法はあるんです。

 

 

誤解しないでいただきたいのですが、もちろんこの記事はUXデザインとそれを優れたものにする事についての記事です。しかし他の要素を理解するということもかなり有益なことです。

 

 

私が一番大切だと思うのはビジネスと製品戦略です。私たちデザイナーはもっと広い視野を持って仕事をすべきで、それこそが私がこの記事でお伝えしたい事です。

 

 

私は実はこの「広い視野を持つ」という事に置いて失敗したことがあります。UIを可能な限り魅力的に作ろうと躍起になっていましたし、そのために角を丸くするのに何時間も費やし、ただ単純にユーザーにフォーカスしていました。

 

ユーザー中心のデザインこそが一番大事なことだと思い込んでいたのでその他のことは気にも留めていなかったのです。まさに「お客様は神様」といった感じでした。本当に無知でした。

 

’’ビジネスはデザイナーが最も足りていない分野です。’’

 

 

ビジネスと製品戦略を把握するデザイナーになろう

製品戦略というものを端的にいうと「ビジネスゴールと目標を達成するための助けになってくれるユーザーが好むものは何か」という考えに基づいて下された決定の連続からなるものです。

 

 

そうして下された決定のもとに練られた計画は焦点がしっかり定まっていて、ビジネスにも前向きな影響を与えてくれます。

 

 

UXの観点からすると、製品戦略を理解してさえいれば決定される事項においてデザイナー自身もよく理解して納得することができます。そしてビジネスオーナーに彼らのビジネスを発展させるデザインは何かをより明確に伝えることができます。

そうして自分自身が多様化することが重要なのです。

 

例えばビジネスオーナーに突然全てのデザインを変えるように頼まれたら、あなたはあなたが前述したようなプロセスから得た製品戦略を持ち出して本当に全てのデザインを変えることで全ての問題を解決できるのか、そのやり方で商品の価値が上がるのかを話し合うことができます。戦力的なマインドセットを持つこと重要です。

 

 

デザイナーの焦点はユーザーの共感を得るという事に当てられるべきですが、結局のところUXはビジネスのために設計されているので直感的で使いやすいソリューションだけでなく戦略的なアプローチも必要なのです。

 

 

マーケティング全体を認識することができればそれができないデザイナーと一線を隠すことができ、競争する上であなたか有利になることは間違いありません。

自分がなぜデザインをしているのか、何をデザインしているのか、全体像を理解するべきです。

 

顧客がいつでも正しいというわけではありません。そして顧客自身は自分が何を求めているか必ずしも分かっているわけではないということと心に留めておいてください。

 

全体像を把握すると言ってもあなたはデザイナーなのですから、ビジネスとは何たるやということを全て網羅しなければならないということではありません。私が言いたいのは製品戦略の全体像を把握すべきということです。製品が伸びるか、適切か、最先端であるかを把握するということです。

 

結果的にそれはユーザーにとって良い解決方法になるし、ビジネスを正しい方向に導いてくれるものなのです。これが本当の意味でのクリエイティブな問題解決だと言えます。

2008年
「デザイナーにも決定権を与えるべきだ!
ユーザーを大切にしているし、デザインは価値を生み出すんだから!」

2018年
「クリエイティブなタイプの人間だから数字とかビジネスには弱いんだよなぁ。一人でコツコツやっていってもいい?」

 

 

成長の本当の意味を理解する

 

発展して成功するには、成長することが分野のビジネスにおいても重要です。

 

一口に成長と言ってもどれだけの人が製品をアクティブに使ってくれるか、ユーザーベース、売り上げなどあらゆるものが含まれます。自分が手がける製品の獲得、活性化、維持、収益化、収益といった成長指標を把握することもキーになってきます。

 

一度顧客を獲得したら製品をアクティブに使ってもらう必要があり、アクティブに使ってくれる顧客を維持するために常に製品を最適化する必要があります。

 

成長するにあたって、既存の顧客とに安定した関係を築くことは非常に重要です。人々に愛されて、習慣的に使ってもらえる製品を生み出すことに繋がります。そのためにはビジネスは常に最新の状態を保ち、必要が生じた場合には方向転換をしなければなりません。

 

それがFacebookのように成功を収めていて市場適合性のある会社が成長すること、特にユーザーとの安定した繋がりの強さを重視している理由です。
Myspaceのようなプラットフォームはアクティブに使ってくれるユーザーではなく、ユーザーの登録数を重視していました。

 

成長とは新しくて輝かしい機能を常に追加し続けるということではなく、ビジネスにプラスの影響を与えるであろう製品の新しく発展的な局面を生み出すために常に製品を最適化し、戦略的な展望を持つということです。

 

デザイナーとしてとてもシンプルなこと、例えばランディングページのemailフォームを目立たせることの重要性理解すること、サイト内に人の写真ではなくイラストを使うことが本当に良い決定なのかを疑問を持つことが重要です。

ユーザーが何を好むかということばかりではなく、どう言った効果が期待できるかを視野に入れることを心がけましょう。

 

前述の写真かイラストかの例を挙げると、人間は自分以外の人間を見ることを好む傾向にあるので、イラストより人間の写真を使う方が一般的には高い顧客転換率が望めます。

 

こう言った本当の意味での成長はユーザーが製品と強く結びつくことができるので、ユーザーが愛し、使うことが癖になるような製品を生み出しています。顧客との結びつきを強くする方法には地図や写真と言った視覚的なコンテンツの使用から創造的で斬新なUXまでいろんな方法があります。

 

ユーザーに時間を投資させることも製品とユーザーとの結びつきを強くするための一つの優れた戦略ですが、そもそも製品が優れていなければそれを実現させるのは困難です。これはユーザーへの聞き取りからだけでは学べないのでデータと実験によって習得しなければなりません。

 

最適化やリテンションの改善、全体的な成長と言ったものには多くのニュアンスがあるので、書籍を読んだり心理学を学ぶことも良いスタートになることも事実です。しかし私が個人的にお勧めしたいのは実際の体験から学ぶことです。

 

全てのビジネスに通用する魔法のようなアプローチは存在しません。ですので実際の体験はとても大切なのです。グロースハッキングは成長を加速するのにとても重要なマインドセットです。

”あなたの仕事におけるユーザー目標と同じくらいビジネスゴールを考えることを始めてみてください。仮説を証明するために分析に没頭してください。全ては実験なのです。”

 

 

グロースハッキングってなんの価値があるの?

 

成長はビジネスに非常に重要な価値を付加します。グロースハッキングは迅速に動き、繰り返しテストすることで根本的に製品を発展させています。これは直線的なプロセスではなく、完璧なソリューションを見つけるまで繰り返されます。

 

たとえ戦略を変えて方向転換することを意味していたとしても、エゴはグロースハッキングの入り口に置いてくるべきです。どんな製品にも共通して通用する方法というのは存在しないので機敏に動くこと、最適化し続けることが安定したスタートアップの最善の方法です。

 

Airbnbは戦略転換とグロースハッキングの方法論を用いている良い例です。彼らは自分のアパートを朝食付きの簡易宿として貸し出すところから始めました。そこから彼らは方向転換し、ホテルが満室だったときに泊まれる場所としてのネットワークを構築することに焦点を当てました。そこからさらに方向転換を繰り返し今日の成功を収めたのです。

 

Instagram も良い例です。彼らは位置情報アプリとしてInstagramをスタートさせました。ところがユーザーの大多数がフィルターを使って画像を加工する機能だけを使っていることに気づき、写真に特化したアプリの開発にシフトすることを決めました。

”成長はテクニックやコツと言ったいわゆる「ハック」を集めたものではありません。実験やデータ収集、人間心理の活用からなる厳格な方法論なのです。
収益を最大化することを追求するものであり、ブランドの認知度を高めたり話題を生み出すものではありません。’’

 

新しい製品である場合は市場に適合していなければなりません。そうでなければグロースハッキングもマーケティングもあなたを間違った場所に連れていくだけです。全ての財産をマーケティングに使ってなおかつ大々的な宣伝を行っても製品が十分に優れたものでなければそのゆっくりと市場からフェードアウトしてしまうでしょう。

 

製品とそのアイデアは人々が欲しがり、人々の問題を解決する、価値あるものであるべきです。
新しい製品の場合、まずはMVPを作成することが重要です。MVPは、ユーザーを通してアイデアを検証できる、非常にリーンな製品です。

 

 

「何かを繰り返すことができるのはリリース後です。リリースする前はただ物を作っているにすぎません。変更を加えたとしてもそれは単なる物作りの過程です。繰り返しとは製品が世に出た後に変化させたり発展させたりすることなのです。ですからその「繰り返し」をやりたかったらまずリリースすることです。」

 

「リリースしなければその製品は存在しないも同然です。作ることに5年費やしていたにしても関係ありません。リリースされていなければ存在しないのです」

 

 

 

マーケティング

最後に、マーケティングを理解することはとても価値があるということをお伝えします。

 

マーケティングは顧客獲得に焦点を当てていて製品を使ってくれる顧客を獲得して、ユーザーに製品をリマインドします。マーケティングはテレビやラジオ、紙媒体(ポスター、広告看板、チラシ)など昔ながらのやり方のほか、最新のもの、例えばSEOGoogle Ads、ソーシャルメデイアの広告、App Storeの最適化、Emailマーケティングなどがあります。

新しいメソッドは最新で人気があるマーケティング方法であるだけでなくコストがあまりかからないという素晴らしい利点があります。

 

そしてこれらの新しいマーケティング方法を使うことのもう一つの大きな利点は製品の成長度合い、例えば広告のエンゲージメント率、インプレッション数、クリックスルーレートを測り、追跡することができるということです。これらのデータをもとに素晴らしい製品を作るための解決法が見つかるまでテストと最適化をくり返すことが鍵になります。

 

多くのスタートアップがまず最初に取り組む事の一つにEmailマーケティングがあります。ユーザーにメールを送る事はユーザーとつながれるという点においてとても有益です。

そのためランディングページのEmail送信フォームはとても重要です。これでなぜマーケティングマネージャーがメール送信フォームについてうるさく言ってくるのかが分かったと思います。

 

最後に

より良い製品にすること、優れたUX,UIデザイナーになること自体にフォーカスすることにはなんの問題もありません。

 

しかし、ビジネスの全体像を要約するためのデザインの技術に加えてその他のスキルも持ち合わせることはあなたの素晴らしい武器になります。この職業が一般化して始めやすくなった今、自分自身の限界を破っても損はありませんし、そうすることでその先に何かが待っているかもしれません!

2019年もUXデザインを楽しんでくださいね!

 

’’デザインゴールとビジネスゴールは一貫して一致しているべきだ。’’

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